【知っているようで知らない】竜巻とトルネードの違いとは?

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竜巻とトルネードの違いをご存じですか?

じつは、竜巻のことを英語でトルネードというだけではないのです。

そこで今回は、

  • アメリカのトルネードの概要
  • トルネードと竜巻の違い
  • トルネードと竜巻の仕組みの違い
  • トルネードと竜巻の発生件数の違い
  • トルネードと竜巻の発生時期の違い
  • トルネードと竜巻の被害における違い

などについて、くわしく紹介します。

アメリカのトルネードとは

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トルネードとは、日本でいう竜巻のことですが、アメリカでは発生場所によって呼び名が違います。

アメリカでは、

  • トルネード:陸上の竜巻のこと
  • ウォータースパウト:水上の竜巻のこと
  • ファネルアロフト:空中の竜巻のこと

とわけられているのです。

また、トルネードは、

  • 最大風速100m/s以上
  • 積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する

もののことで、アメリカの中西部で発生するトルネードは、基本的に日本の竜巻よりも規模がおおきいものが多いとされています。

トルネードと竜巻との違い

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トルネードとは、アメリカで陸上の竜巻のことを表しますが、他には竜巻とどのような違いがあるのでしょうか?

そこで、

  • 仕組み
  • 発生数
  • 発生時期
  • 被害

の違いについて、くわしく紹介します。

仕組みの違い

トルネードも竜巻も発生の仕組みはおなじで、

  • 大気の状態が不安定になる
  • 上層の風が強い
  • 下層で大量の水蒸気を含む

となった時に発生しやすくなります。

アメリカの中西部(オクラホマ州付近)では、

  • 昼間の気温が急上昇する
  • カナダのほうから冷たい空気が流れこみ、大気の状態が不安定になる
  • ロッキー山脈があるため、冷たい空気が入りやすい

という気象条件がそろいやすくなります。

これにより、積乱雲が回転しやすくなり、強力な竜巻がおおく発生するのです。

いっぽう日本は、

  • 脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)
  • 沿海州の山(えんかいしゅうのやま)

に阻まれて、

  • 北極からの寒気
  • 南方の暖気

が直接ぶつかることがありません。

また、日本の西方には、偏西風に影響をあたえるおおきな山脈がないため、極度に乾燥した偏西風があらわれ、風向きが極端に回転することが少なくなります。

よって、日本ではアメリカのような強い竜巻は、あまり発生しないのです。

発生数における違い

日本とアメリカの1年間における竜巻の発生件数は、

  • 日本平均約25個(2007から2015年、海上竜巻をのぞく)
  • アメリカ:平均約1300個(2004から2006年)

とおおきく違います。

しかし、単位面積に換算すると、日本の竜巻の発生件数はアメリカの半分程度で、けっして少ないとは言えません。

また、藤田スケール(Fスケール)ごとの竜巻の発生確認数は、

  • アメリカ:Fスケールが2つ増えると、確認数は約10分の1に減少
  • 日本:Fスケールが2つ増えると、確認数は約10分の1から約100分の1に減少

します。

日本はアメリカにくらべて、Fスケールの増加にともなう確認数の減少が明らかなことがわかります。

[box class=”box29″ title=”藤田スケールとは”]※藤田スケール(Fスケール)とは、竜巻やダウンバーストなどの突風により発生した被害の状況から、風速を大まかに計測する方法です。
藤田スケールには、F0からF6までの7段階があり、値が大きいほど被害が大きく、風速が大きいことを表します。[/box]

発生時期における違い

近年日本では、竜巻は季節を問わず全国で発生していますが、とくに、

  • 9月
  • 10月

にもっとも多く発生します。

これは、上昇気流が

  • 台風
  • 積乱雲

と一緒に現れるからです。

一方アメリカでは、年間をとおして発生は見られますが、12月から2月が少なく、

  • 5月
  • 6月

に、もっとも多く発生します。

これは、冬の冷たい空気は、エネルギー量が限られるためです。

被害における違い

アメリカでは、1年間あたり平均54.6人が竜巻の犠牲になっています(1975年から2000年の平均値)。

もっとも人的被害がおおきかった竜巻は、

[box class=”box27″ title=”アメリカの被害が大きかった台風”]

  • 1925年3月18日
  • ミズーリ州・イリノイ州・インディアナ州の3つの州
  • 死者695名

[/box]

で、F5の規模といわれています。

アメリカの竜巻がおおく発生する地域は、

  • 人口密度が小さい
  • 竜巻の発生がおおい
  • 強力で寿命がながい

ため、人的被害が毎年報告されています。

いっぽう日本では、1年間あたり平均0.58人が竜巻の犠牲になっています(1961年から1993年の平均値)。

もっとも人的被害がおおきかった竜巻は、

[box class=”box27″ title=”日本の被害が大きかった台風”]

  • 2006年11月7日
  • 北海道佐呂間町
  • 死者9名

[/box]

で、F3の規模といわれています。

日本は、人口密度が高い国ですが、

  • 小型
  • 寿命が短い

といった竜巻がほとんどなので、人的被害はアメリカにくらべて少なくなっています。

まとめ

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アメリカのトルネードは、

  • 陸上の竜巻のこと
  • 最大風速100m/s以上
  • 積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する
  • アメリカの中西部で発生するものは、日本の竜巻よりも規模がおおきいものが多い

ということがわかりました。

また、トルネードと竜巻の違いには、

  • 発生の仕組みは同じだが、アメリカの中西部では、積乱雲が回転しやすい気象条件がそろうため、強力な竜巻がおおく発生する
  • アメリカのトルネードの発生件数は、平均約1300個、日本の竜巻の発生件数は、平均、約25個
  • Fスケールごとの竜巻の発生確認数は、Fスケールが2つ増えると、アメリカは約10分の1に減少、日本は約10分の1から約100分の1に減少
  • 発生時期は、日本は9月・10月、アメリカは5月・6月
  • 年間の竜巻の犠牲者は、アメリカは平均54.6人、日本は平均0.58人

などがあることがわかりました。

世界では約1500回のトルネードが毎年発生し、その65%から85%がアメリカで起きているそうです。

また、とくにおおきなトルネードが発生するのもアメリカで、「トルネード大国」と言っても過言ではないかもしれませんね。

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