霰とは?|できる仕組みや雹・霙・雪との違いも解説

霰,雪,雹,霙,違い

冬になると、雪のほかに霰(あられ)が降ることがありますよね。

あられが降ったときには、テレビや新聞などで農作物の被害のニュースをやっています。

しかし、あられとはどういった現象なのでしょうか?

その仕組みと、ほかの気象との違いを解説します。

霰(あられ)とは?

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あられとは、氷の結晶が大きく成長したものです。

雲の中の水分が凍り付くことによってできた、氷の結晶がそのまま地面に降ってくることで、あられになります。

あられは大きく

[box class=”box29″ title=”霰の種類”]

  • 雪あられ
  • 氷あられ

[/box]

の2種類に区別されています。

雪あられは、雪に空気中の小さな氷の粒が付着したものです。

気温が0度近くの時に雪に前後して一時的に降るあられで、壊れやすい性質を持っています。

対して、氷あられは、白色半透明あるいは不透明のとても硬い氷の粒です。

気温が0度以上の初冬に降りますが、夏でも降ることがあります。

雪あられ・氷あられのどちらも地面に落下すると、バタバタと音を立てるのが特徴です。

形は球状のものが多いですが、円錐状のとがった形のものもあります。

また、あられやひょうというのは、言ってしまえば、氷のかたまりが空から降ってくる気象ですので、例年被害が発生しています。

氷の粒が大きいと、落ちてくる早さも時速100kmを越えるので、農作物や車などを傷つけてしまうほか、最悪の場合、犠牲者がでます。

霰ができる仕組み

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あられができる過程は、途中まで雪と大して変わりません

雪の核となる氷の結晶が、さらに大きく成長したものがあられとして地表に降るのです。

発達中の雲の中で、氷の結晶は周りにある水蒸気がくっつくことにより、成長していきます。

そして、重さに耐えきれなくなって降ってきたものが雪です。

しかし、雪の結晶に過冷却状態となった水滴がぶつかり凍り付くと、白色不透明の氷の粒になります。

これが地表に降ってきたものが、雪あられです。

さらに、上昇気流が強い積乱雲などの場合、落ちてくるはずの氷の粒は風に吹き上げられ、長い間浮遊を続けることになります。

すると氷の粒は、何度も繰り返し過冷却状態となった水滴とぶつかることで、氷の表面に張り付くようにさらに成長していきます。

そうして、大きく成長した氷の粒が氷あられであり、あられやひょうとなって地表に降るのです。

また、あられやひょうができる際には、氷の粒同士が激しくぶつかり合うので、しばしば雷が発生します。

霰と雹(ひょう)の違い

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あられとひょうの違いは単純に、粒の大きさです。

具体的には

[box class=”box29″ title=”霰と雹の違い”]

  • 直径5㎜未満のものがあられ
  • 直径5㎜以上のものがひょう

[/box]

となります。

では、この粒の大きさの違いはどこで出るのかというと、あられやひょうが作られる積乱雲の強さです。

あられは、初冬あたりの季節に降ることが多いのに対し、ひょうは積乱雲が発達しやすい5月~6月の初夏の季節に、雷雨をともなって降ることが多いです。

また、俳句の季語においても、あられは冬の季語であり、ひょうは夏の季語として扱われています。

霰と霙(みぞれ)の違い

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あられとみぞれの違いは、降ってくる途中で融けているかどうかがポイントとなっています。

つまり

[box class=”box29″ title=”霰と霙の違い”]

  • あられ:融けずに地表まで降ってきた氷の粒
  • みぞれ:雪の一部が融けた雨交じりの雪

[/box]

ということです。

降りはじめは雪として降るのですが、地上の気温が高い場合には、途中で雪が融けてしまい、雨交じりの雪となったのが、みぞれです。

初冬に初めて降るものがみぞれであっても、気象庁では初雪として観測されます。

より上空で雪が完全に融けてしまった場合は、冷たい雨となります。

また、完全に融けた雪が再び0度以下の空気の層を通った場合、再凍結して凍雨になります。

凍雨は気象学的には、みぞれとあられの両方に分類され、天気の種類としてはあられに含まれるが、天気予報では雪として扱われる気象です。

そして、0度以下の空気の層が薄かった場合には、地面についた瞬間凍り付く雨氷という珍しい現象が起きます。

霰と雪の違い

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あられと雪ができる過程は、前述した通り、途中までほとんど同じです。

氷の粒が大きくなる過程が異なり

[box class=”box29″ title=”霰と雪の違い”]

  • 雪の結晶を核として周りの水蒸気がくっついて大きくなったのが、雪
  • 氷の粒に過冷却状態となった水滴が張り付いて大きくなったのが、あられ

[/box]

となっています。

また、雪の結晶は規則正しいきれいな形であることが知られていますが、あられの結晶は様々な形の結晶が混在しているといった違いもあります。

まとめ

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あられは、雲の中で作られる氷の粒です。

あられが作られる過程は、途中まで雪と同じですが、上空の気温や上昇気流によって氷の粒となります。

あられやほかの気象のそれぞれの特徴は

  • あられ:直径5㎜未満の氷の粒
  • ひょう:直径5㎜以上の氷の粒
  • みぞれ:雪交じりの雨
  • 雪:氷の粒を核として空気中の水蒸気が凍ったもの

となっています。

あられは、氷のかたまりが空高くから降ってくる天気ですので、農作物や車などに被害がでることがあります。

この記事をご覧いただいて、安全に楽しく冬の日をお過ごしください。

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