風の強さと体感温度の関係性について

風の強さは季節や時期によって様々であり、気温の変化だけでなく、体感温度の違いをもたらすものとなります。
同時期において、風が強く吹き付けると「寒い」と感じやすくなり、穏やかな風は「涼しい」と感じやすくなるでしょう。
風の強さは体感温度に影響し、私たちの日常生活にも関わりがあるといえます。
快適な生活を送るためには、体感温度をコントロールすることが重要だといえるでしょう。
この記事では、風の強さが体感温度にどのように影響するのかについて説明したいと思います。
体感温度とは

体感温度とは、人が身体で感じる温度であり、風の強さだけでなく湿度や輻射熱も影響しています。
風速が1m/s増すごとに、体感温度は1℃下がり、湿度が20%下がると体感温度は1℃下がるといわれています。
輻射熱は太陽や地面からの赤外線による熱量であり、数値化された目安はありません。
体感温度は、その日の服装を決める上で、重要な指標になるといえます。
体感温度は私たちの体温調節機能に影響を与え、快適な生活を送る上で重要なものとなります。
体感温度を調べる方法

体感温度を把握することは、自分にとって快適に過ごせる温度がわかり、その日の服装や行動を決める要素にもなります。
体感温度は風の強さや湿度が関係しており、これらの要素から体感温度を導き出せることをご存知でしょうか?
体感温度の算出方法には「ミスナール法」と「リンケ法」というものがあり、それぞれの算出方法に用いる要素は別々のものとなります。
体感温度の算出方法は目安での意味合いが強く、正確な体感温度を測るものではありません。
「ミスナール法」と「リンケ法」は、それぞれどのように体感温度を算出するのでしょうか。
ミスナール法
ミスナール法は気温と湿度を用いて、体感温度を算出する方法であり、蒸し暑さを表現する際に使われやすいのが特徴となります。
計算式は、ミスナール法による体感温度(℃)=T-1/2.3×(T-10)×(0.8- H/100)となり、T=気温(℃)、H=湿度(%)となります。
ミスナール法は「気温10℃以上なら湿度が上昇するほど暑く感じる」、「気温10℃以下なら湿度が上昇するほど寒く感じる」という法則があるのが特徴です。
リンケ法
リンケ法は気温と風速を用いて、体感温度を算出する方法であり、寒さを表現する際に使われやすいのが特徴となります。
計算式はリンケ法による体感温度(℃)=T-4√Vとなり、T=気温(℃)、V=風速(m/s)となります。
リンケ法は「風速1m/sにつき体感温度は1℃下がる」という法則があるのが特徴です。

風が体感温度を下げるメカニズム

リンケ法によると、風速が1m/s上がる毎に体感温度は1℃ずつ下がるとされていますが、どのようなメカニズムがあるのでしょうか。
無風状態において、私たちの身体は空気の層で覆われている状態となります。
私たちの身体を覆っている空気の層は、体温によって温められており、空気の層の断熱効果により寒さから身を守っている状態だといえます。
私たち人間は、動物と違い毛皮を持っておらず、寒くなれば服を着ることで防寒しますよね。
風が吹くことにより、私たちの身体を覆っている空気の層は、風で飛ばされてしまいます。
風速が上がるにつれて、空気の層が飛ばされてしまい、私たちの身体はどんどん熱を奪われてしまいます。
風が体感温度を下げるメカニズムはこのようにして発生するのです。
体温調節に影響を与える要素

快適な生活を送る上で、体感温度をコントロールして体温調節することが重要だといえます。
体温調節をするためには気温や湿度、風速以外にも様々な要素があります。
体温調節に関わる要素には、「温熱環境の6要素」と呼ばれる要素があり、環境に起因するものと人体に起因するものに分けられます。
体温調節に影響を与える要素を知るためには、温熱環境の6要素を知ることが重要だといえるでしょう。
温熱環境の6要素
体温調節は、人間が地球上で生活を送る上で必要なことであり、暑さや寒さに身体を順応させる機能となります。
体温調節に影響を与える温熱環境の6要素は環境側の要因として、気温、湿度、風速、放射熱の4つの要因となります。
人体側の要因として、代謝量・肺活量、着衣量の2つの要因となります。着衣量は夏服や冬服などの服の厚さの違いが影響するものとなります。
気温
体感温度は気温が高いほど暑く感じ、気温が低いほど寒く感じるようになります。
湿度
体感温度は湿度が高いほどジメジメと不快な気持ちになり、暑く感じるようになります。
逆に湿度が低いほどカラッと乾燥した状態になるので、涼しく感じるようになります。
風速
微風や強風の違いにより、風が体温は変化するので、風速は快適さだけでなく体感温度にも影響します。
放射熱
快適な室温でも放射熱が高ければ、体感温度は暑く感じます。室温が寒くても放射熱が高ければ、体感温度は快適になります。
代謝量・肺活量
激しい運動をすることにより、動悸が激しくなり、体感温度は著しく上がります。
室温が寒くても、激しい運動による体感温度は上がることになります。
着衣量
体感温度は厚着をするほど高くなり、薄着になるほど低くなります。
温熱環境の6要素は日常生活を送る上で、当たり前ともいえる内容ですが、体感温度に影響を与える重要な要素となります。
まとめ
私たちが「暑い」と感じるか「寒い」と感じるかは気温だけではなく、様々な要因が影響しており、風の強さもその一端を担っています。
風速の違いにより、私たちの身体を覆っている空気の層を吹き飛ばすこともあり、防寒効果を弱めてしまうこともあります。
体感温度はその日の服装を決める上で、重要な指標になるので、気温や湿度だけでなく風速は注目するべき要素だといえるでしょう。

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