風害とはなにか?風害がもたらす生活への影響について

日本は四季折々の自然を楽しむことができる一方で、夏から秋にかけて、台風や強風による被害が多いという特徴もあります。
台風や強風といった風の被害は様々であり、農作物や建造物の崩壊など、尋常ではない被害になることもしばしばあります。
風による被害は風害と呼ばれ、私たちの生活にも影響を与えるものとなります。
風害は私たちの生活に密接に関係しているといえるでしょう。
風害とは何かを踏まえ、風害がもたらす生活への影響について説明したいと思います。
風害とは

風害は風によって引き起こされる災害全般のことであり、台風や強風による被害が中心となります。
風害は雨を伴うことが多いので、雨による水害も併発しやすく、風害と水害を合わせて風水害と呼ぶことが多いです。
風害による被害内容は、突風や暴風による家屋の屋根の剥がれや飛散だけでなく、飛散物や倒木の衝突といった人体への直接的な被害もあります。
風速や風の強さの度合いによっては、電柱の倒壊や電線が切断されることもあり、電力や通信インフラへの被害も懸念されます。
また列車や航空機の運航にも影響が出ることもあり、交通網に被害が出ることもあるでしょう。
農業での収穫期における風水害は地下茎農作物の被害だけでなく、地上茎農作物にも被害が出ることもあり、農業と風水害は密接な関係にあるといえるでしょう。

風害の基準

風害は、家屋の倒壊や倒壊した家屋の飛散物による被害が多いといえるでしょう。
このような風害問題を考える際、被害内容が風によるものかを決めることが必要であり、風害基準の線引きが重要となります。
様々な風害がある中で、風害基準にはどのようなものがあるのでしょうか。
風害基準は大きく3種類に分けられ、①災害時の認定基準、②構造物の風環境影響、③風に関する紛争となります。
①~③の基準がどのようなものか説明していきますね。
①災害時の認定基準
突風や強風により、建造物が倒壊または損壊した際に、その被害度合いを認定する基準となります。
風による建造物への被害基準となるので、風害として認識しやすいだけでなく、建造物の被害状況を判定するポイントを示すものとなります。
災害時の認定基準は、「強風による家屋被害」という言葉だけではわかりにくい被害状況も判断しやすくなるでしょう。
程度Ⅰ
屋根瓦に擦れが生じ、部分的に破損する程度の被害となります。建造物への損傷率は10%程度だといえるでしょう。
程度Ⅱ
屋根瓦が部分的にずれるだけでなく、破損して落下することもあります。屋根の一部分に、飛散物による衝突痕が生じることもあります。建造物への損傷率は25%程度だといえるでしょう。
程度Ⅲ
屋根瓦が全体的にずれてしまい、その多くが破損し落下してしまいます。
屋根瓦が落下したことにより、屋根裏断熱材や防水材が雨に曝されてしまい、それぞれの機能を失ってしまいます。
屋根の一部分に、飛散物が突き刺さることもあり、貫通痕が生じることもあります。
建造物への損傷率は50%程度だといえるでしょう。
程度Ⅳ
屋根瓦が全体的にずれてしまい、その多くが破損し落下するだけでなく、屋根としての機能を失います。
屋根の一部分が剥がれてしまうこともあり、家屋の骨組みに破損が見られる状態となります。
屋根全体に飛散物の衝突痕や貫通痕が生じるようになります。
建造物への損傷率は75%程度だといえるでしょう。
程度Ⅴ
屋根全体が激しく損傷してしまい、家屋の骨組み全体にも大きな影響が出る状態となります。
屋根瓦はほぼ落下してしまい、屋根仕上げ面の木材は大きな亀裂が生じて割れてしまいます。
屋根全体に多数の飛散物による衝突痕や貫通痕が生じます。建造物への損傷率は100%程度だといえるでしょう。
②構造物の風環境影響
国土交通省が道路建造物に対して定めた風害基準となります。
道路建設では、道路の整備だけでなく、道路周辺の建造物の設計管理も必要となります。
地下高速道路建設において、道路換気塔は不可欠であり、道路換気塔への風環境影響の評価項目が風害被害の基準です。
道路換気塔は、地下高速道路に空気を取り込む上で、重要な道路設備です。
③風に関する紛争
風環境による諸問題において、風害の予測および事後検証となります。
例として、風害によって建造物が倒壊した際、建造物所有者と近隣住民の間にはあらゆる諸問題が発生します。
建造物への被害だけでなく、建造物が倒壊したことによる歩行者への影響や日常生活への影響も考慮する場合もあります。
この場合、実際の日常生活への影響を試算するだけでなく、風の状態を確認することにより、風環境の変化を判定することが可能になるでしょう。

まとめ
風害は直接的な人体への影響だけでなく、電力や交通網、農作物など日常生活に関わる様々なものに幅広く影響するものとなります。
風害被害の多くは、建造物への被害がほとんどであり、建造物への被害状況により風害被害のレベルを推し量ることが可能です。
風害は私たちの生活に身近であると同時に、いつ起きてもおかしくないものだといえるでしょう。
風害がいつでも起こりうる可能性を考慮して、風害に備えておくことが重要だといえます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました