目次
あ1 雨はどうして降るのか?意外と知らない雨について
あ2 雨の種類にはどんなものがあるの?それぞれの特徴を詳しく説明
あ3 雨の表記は意外と多い?表記の違いについて詳しく説明
あ4 水量とは何なのか?雨に関する警報の基準や仕組みとは
あ5 雨がもたらす人体への影響とは?
雨の種類にはどんなものがあるの?それぞれの特徴を詳しく説明
私たちの住む日本には「春」、「夏」、「秋」、「冬」の四季があり、それぞれの季節が日本の自然の風景を彩り、楽しませてくれます。雨にも「春」、「夏」、「秋」、「冬」の違った季節雨があるのはご存知でしょうか。季節雨は降り方の傾向だけでなく、日本情緒あふれる呼び方も様々あります。この記事では、雨の種類にはどのようなものがあるのか、季節雨を踏まえて、それぞれの特徴を説明したいと思います。
季節雨とは
日本は他国と比べ、雨量が大変多く、雨は四季によって様々な特徴を持ち、人々の暮らしと美しい自然を育んできました。人々はその時々の雨の恵みに感謝し、感性豊かな雨の表現を数多く残しています。季節雨の様々な表現は挨拶状の季語としても活用されています。季節雨には、日本の豊かな自然を表すものとして、季節と植物の関係する雨の種類が数多くあります。
春に降る雨とは
春は前線が近づくことにより、雨が降る前は、空一面にうす雲やおぼろ雲が広がりやすくなります。3月中旬から4月にかけて高気圧が北に片寄ると、日本の南岸沿いに前線が停滞して、梅雨どきのようなしとしと雨が降り続くこともあります。春は花の蕾が膨らみ、草木の芽吹く時期でもあり、春に降る雨はまさに恵みの雨だといえるでしょう。
タイトル
・華雨(桜雨)
春の花が咲く頃に降る雨のことであり、3月下旬から4月上旬にかけて降るのが特徴です。
・菜花雨
菜の花が咲く頃に降る雨のことであり、花が咲くのを待ち侘びる様に、しとしと降り続けるのが特徴です。
・春霖(春霖雨)
細かく霧のように降り続く3、4月の長雨であり、春はしとしとと長雨になることが多く、とくに3日以上続く雨のことを指します。
・発火雨
桃の花や杏が咲き乱れる頃に、南東から吹いてくる風に乗って、やわらかく静かに注ぐ雨のことを指します。清明節の4月5日頃に降るのが特徴です。
・花しぐれ
桜の頃、しぐれるように降る冷たい雨のことであり、時には雷を伴うこともあります。いきなり降り出して、急に止むのが特徴でもあるので、春の気まぐれ雨ともいえるでしょう。
夏に降る雨とは
夏の雨の代表的なものは梅雨(五月雨)と夕立があり、局地的な大雨や強い雨であることが特徴だといえるでしょう。長梅雨や度重なる夕立に悩まされることもありますが、日照りは死活問題にもつながります。日照りを解消する夏の雨は、私たちに涼を与えてくれるだけでなく、恵みの雨として捉えられることも多く、数多くの種類があるのも特徴です。
・翠雨
翠雨は、初夏に生い茂る草木に降り注ぐ恵みの雨として5月上旬頃に降り、色鮮やかな青葉をより艶やかにして注ぎ降るのが特徴です。
・慈雨
旱魃の時など、田畑や山野を潤してくれる恵みの雨です。夏の暑さによる肉体的・精神的疲労を癒してくれるのも特徴です。
・梅雨
夏至の前後、6月上旬から7月下旬にかけて降り続ける長雨であり、多くの呼び名があるのが特徴です。
・天気雨(狐の嫁入り)
快晴なのにパラパラと降ってくる小雨のことであり、地域によって様々な呼び名があります。
・夕立
夏の夕方などに急に烈しく降ってくる雨のことであり、ここで降っていても隣町では降っていないような局地的な大雨。短時間で一気に降るのが特徴です。
秋に降る雨とは
秋の雨を降らせる雲は日本の上空に停滞し、秋雨前線と呼ばれています。秋雨前線は梅雨前線と同じように日本上空に停滞し、8月下旬から10月初旬頃にかけて、しとしとと長雨が続くのが特徴です。霧のような細かな雨がいつ止むことなく降り続ける様子は、なんとも寂しいものですが、秋の深まりを感じられる風情だといえるでしょう。
・秋微雨
微雨は霧状の細かい雨であり、夏の強い日差しにより干上がった大地を潤すような秋の雨です。
・秋湿り(秋霖)
秋のしとしとと冷たく降り続ける長雨。
・霧時雨
少し降ってはすぐに止む時雨のような霧雨であり、秋の風情を感じることができる雨だといえるでしょう。
・澎雨
「澎」は水の勢いが強い様子を表現しており、洪水を引き起こしそうなほどに激しく降る秋・冬の雨です。
・白驟雨
雨脚が白くなるほどに、断続的に降り続ける強い雨のことであり、夏の夕立に似たような雨なのが特徴です。
冬に降る雨とは
冬の雨の代表格は「時雨」であり、晴れていた空が徐々に暗くなり、はらはらと雨脚軽く、降っては止み止んでは降りを繰り返すのが特徴です。上空の気温がマイナスになると雨は雪に変わりますが、その手前では雪になる寸前の冷たい氷のような雨が降ることがありますよね。冬の雨は雪交じりの冷たさが身に染みる、厳しさが特徴ともいえるでしょう。
・氷雨
凍るように冷たく、みぞれや雪に変わる寸前の雨。
・解霜雨
初冬に実がなる蕎麦につく霜を溶かすように降り注ぐ雨。蕎麦農家にとっては恵みの雨だといえるでしょう。
・四温の雨
冬から春にかけて、冬の終わりの暖かい日に降る雨。四温の雨により、春の訪れを感じさせてくれるでしょう。
・凍雨
凍えるように冷たい冬の雨のことで、降ってくる途中で凍結した小粒の氷片を含む雨です。
・年末梅雨
12月の年末に降る梅雨のような長雨です。
まとめ
日本には雨を表す言葉、雨の呼び名があります。雨の多い日本では、雨は私たちの生活と密接な関係にあり、様々な恩恵を受けています。そうした生活の中で、雨の細かい違いを敏感に感じ取っていました。しとしとと降る雨、一気に強く降る雨、急に降りだす雨。同じ降り方でも違う呼び名があったり、季節によって呼び方を変えたり、一説には雨の呼び名だけで400語以上あるとも言われています。そのような雨の違いを敏感に感じ取ることにより、今までとは違う視野で雨を楽しむことができるでしょう。
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