冬場、空気が乾燥すると起こりやすくなる静電気、「バチッ」と痛い思いをさせられて不快ですよね。
静電気をなるべく感じないように、静電気対策グッズを購入される方が多いのではないでしょうか。
しかし、じつは身の回りには静電気の特性を利用した製品がたくさんあるんです。
この記事では、
- 静電気はなぜ発生するのか
- 静電気を利用した製品を6つ
について紹介します。
あなたの家にも、静電気を利用した家電があるかもしれません。
静電気とは
そもそも、静電気とはなんでしょうか。
静電気とは、「異なる2つのものがくっついたり離れたりするときに、プラス電気とマイナス電気が異なる2つもののあいだを移動することで発生するもの」をさします。
プラス電気とマイナス電気はすべての物質に含まれており、プラス電気とマイナス電気が同じ数のことを「中和状態」といいます。
つまり、「中和状態」とは、静電気が発生していないことですね。
物質に含まれている、
- プラス電気の割合が多くなることを「プラスに帯電」
- マイナス電気の割合が多くなることを「マイナスに帯電」
といい、この帯電した状態を静電気といいます。
ちなみに、日常生活で起きる静電気の電圧は約3000ボルトです。
とても強い電圧にも関わらず、静電気でケガをしないのは、静電気の電流が約0.001アンペア程度と非常に弱いためなのです。
静電気を利用した製品6選
静電気はきらわれものですが、うまく利用すれば、とても便利なものになります。
どのような特性が製品に利用されているのでしょうか。
ここでは、静電気を利用した製品について
- 複写機・レーザープリンタ
- 空気清浄機
- 電気集じん機
- 花粉防止マスク
- 静電塗装
- コンロ・ライター
の6つを紹介します。
静電気の
- 電荷による吸引や反発力
- 放電現象
が、それぞれの製品に、どのように活用されているかについても解説します。
複写機・レーザープリンタ
複写機は、心臓部にマイナスの電荷をもった「感光体ドラム」というものがあります。
コピーのとき、そのドラムにはコピーする書類の像がうつされ、その像の黒い部分以外は電荷を失います。
そのあと、静電気を利用して黒い部分の電荷が残っているところにトナー(紙に転写される顔料の黒い粉)をふりかけ、紙に固定します。
レーザープリンタは、数色のインクを使って紙に色をつけています。
そのとき、インクをつける部分は最初に静電気がたまっています。
レーザーをあててインクをつける部分を決定すると、静電気があるところはインクが出ないようになっています。
静電気のくっつく力が利用されているというわけですね。
空気清浄機
最近は、自宅に空気清浄機がある人は多いですよね。
空気清浄機は、空気の中にただよっている
- ホコリ
- 小さなゴミ
を静電気でよせて集めます。
最近は、
- マイナスイオン
- 酸素
の風を送る空気清浄機がありますよね。
マイナスイオンは、静電気を中和させる力があるといわれています。
電気集じん機
電気集じん機とは、ガスの中に浮いている細かい粒子を静電気の力を利用して除去する装置のことです。
従来のフィルターでホコリを機械的にろ過して分離する方法とは違い、静電気で吸引をするため効率よく粒子を除去できます。
花粉防止マスク
花粉防止マスクは、フィルターの「クーロン力」によって、大気中の花粉やホコリを定着させる仕組みになっています。
「クーロン」とは、異なる2つの物質がプラスとマイナスであれば引きあい、そうでなければ反発する力のことです。
マスクがプラスで、花粉もプラスの電気を帯びていればマイナスの花粉はマスクにつき、逆ならマスクにつきません。
静電塗装
静電塗装は、専用の機器(静電ガン)を使用することで、静電気を発生させて塗料のパウダーを金属に付着させる仕組みになっています。
塗装粒子をマイナスに帯電させ、プラスに帯電させた物体にふりかけて吸着させます。
塗料無駄を少なくし、ムラなく吹きつけることができます。
コンロ・ライター
自動点火する物にも静電気は用いられています。
身近な物であれば、
- コンロ
- ライター
の火を付けるときに「カチッ」とすると、火口ノズルの隙間からガスが出ますね。
そのガスが周囲の空気と混ざり合い、そこへ放電された火花が接触し、火がつきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
静電気とは、「異なる2つのものがくっついたり離れたりするときに、プラス電気とマイナス電気が異なる2つもののあいだを移動することで発生するもの」をさしていることがわかりました。
また、静電気のくっつく力によって
- 複写機・レーザープリンタ
- 空気清浄機
- 電気集じん機
- 花粉防止マスク
- 静電塗装
が作られており、放電現象は
- コンロ
- ライター
に利用されていることがわかりました。
なにかと迷惑に感じることが多い静電気ですが、じつは生活に欠かせないものになっていたんですね。
近年では、静電気の特性が利用された製品が増えてきています。
あなたの身の回りにある製品は、じつは静電気が用いられているかもしれません。
調べてみると、ちょっとした発見につながるかもしれませんね。
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