夏から秋にかけて日本にやってくることが多くなる台風。
テレビなどのメディアでも、台風情報を多く見かける機会も増えてきます。
そこで気になるのは、台風の大きさや強さってどう決まるのかということです。
今回は知っているようで知らない台風の定義や、情報を理解できるよう解説していきます。
台風とは
台風とは、北西太平洋や南シナ海に存在する熱帯低気圧が熱帯の海上で発生し、最大風速が約17.2 m/s以上に発達した巨大な積乱雲のかたまりです。
地球の自転の関係で北上していく台風は上空の偏西風に乗り、季節によっては日本列島にも上陸して、さまざまな被害をもたらすこともしばしばです。
夏から秋にかけての温度が高い温かい海水から供給された水蒸気が集まって大きなエネルギーとなり、気圧が下がって、台風は発達していきます。
その後、台風は中から高緯度に位置すると速度が上がり急速に北上、さらに移動するにともなって、海面や地上との摩擦でエネルギーを消耗し、次第に弱まって消滅していきます。
台風の大きさと階級
台風の季節になると、ニュースなどで台風の大きさや強さを表現する場面を見ることが多いのではないでしょうか。
実はその大きさや強さにも明確な定義があって、階級分けがされています。
大きさの分類は強風域の半径が
- 500~800kmのものが「大型」
- 800km以上の大きさのものを「超大型」
と呼ばれます。
また、500以下のものは階級はありません。
気象情報などでの台風の表現は円形で、暴風域と強風域を色分けし、区別して描いています。
なお、
- 風速15m/秒以上で「強風域」
- 風速25m/s以上で「暴風域」
です。
台風の強さと階級
台風の大きさに階級があるように、台風の強さにも階級が存在します。
- 「強い」最大風速33m/s以上44m/s未満
- 「非常に強い」最大風速が44m/s以上54m/s未満
- 「猛烈な」最大風速は54m/s以上の台風
以前は「小型」、「弱い」という定義の台風もありましたが、弱いという語感が警戒感を薄らぐため、2000年に撤廃されました。
台風情報では、ご説明した台風の「大きさ」と「強さ」の階級を組み合わせて「超大型で強い台風」という風に表現します。
この基準は「台風」の基準なので「ハリケーン」などに関しては、また別の基準があります。
台風の強さは気圧の単位である「ヘクトパスカル」を使用することもあります。
圧力の単位であるヘクトパスカルは、数字が低いほど強力です。
しかし、実際の台風では中心気圧や最大風速に比例して影響や被害が起こるとは限らないので、どんな時でも情報を手に入れて注意しておく必要があります。
史上最強の台風ランキング
毎年猛威を振るい、さまざまな被害を及ぼしている台風。
今までもですが、これからも台風のシーズンになると、たくさんの台風がやってきます。
その際に報道で表現される「これまでに経験したことのない強さの台風」といった表現です。
では、これまでの台風は、どれほどの強さのものだったのでしょうか?
日本史上最強の台風ランキングをまとめてみました。
[box class=”box31″ title=”日本台風ランキング”]
1位:昭和36年台風第18号(1961年、上陸時中心気圧925hPa)
2位:昭和34年台風第15号(1959年、上陸時中心気圧929hPa)
3位:平成5年台風13号(1993年上陸、上陸時中心気圧930hPa)
4位:昭和26年台風第15号(1951年、上陸時中心気圧935hPa)
5位:平成3年台風19号(1991年、上陸時中心気圧940hPa)
5位:昭和46年台風23号(1971年、上陸時中心気圧940hPa)
5位:昭和40年台風23号(1965年、上陸時中心気圧940hPa)
5位:昭和39年台風20号(1964年、上陸時中心気圧940hPa)
5位:昭和30年台風22号(1955年、上陸時中心気圧940hPa)
5位:昭和29年台風5号(1954年、上陸時中心気圧940hPa)
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上記は気象庁が発表している1951年〜2019年第12号までの期間に、日本列島に上陸した台風の上陸時の中心気圧の低さをもとに算出したランキングです。
1位は、昭和36年台風第18号は通称「第2室戸台風」と呼ばれ、2位の昭和34年台風第15号も通称「伊勢湾台風」と呼ばれて、たびたび報道でも取り上げられる台風です。
これらの台風が、日本に上陸した時の中心気圧925hPaは、900m標高が上昇するほどの気圧が低下する状態になります。
それにより多くの雨雲が発生し、海水を吸い上げる「吸い上げ効果」などの現象が起こり、多くの被害につながっていきます。
このランキングの台風の数値をもとに、これまで経験したことのない”特別警報級”の警報などが呼びかけられるので、注意が必要です。
まとめ
今回は、台風の大きさや強さと階級の定義についてご説明してきました。
台風の強さは、風速の強さによって段階づけられ、台風の大きさは暴風域の半径によって段階づけられます。
台風の強さを理解すると、あらかじめ台風の規模が認識できて災害の発生を予見することができるので、知っておいた方がいい知識のひとつです。
ぜひこちらを参考にして、台風に対する知識を深めて、被害を最小限に抑えるための知識の参考になればと思います。
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