上空を眺めることにより、季節を問わず雲を見ることができます。
よく雲を観察してみると、季節によって、見えやすい雲に違いがあることに気付くと思います。
季節によって見えやすい雲があることをご存知でしょうか?
四季は、気圧の影響で様々な気候になりますが、雲も同様に気圧の影響を受けることになります。
この記事では、四季にどのような雲が見えやすいのかを説明します。
タイトル
春に見えやすい雲
春になると、揚子江付近から移動してきた高気圧が、日本付近をおおうようになります。
春の雲は西から東に向かって動くことになり、西から低気圧や移動性高気圧が到来するので、急に雨模様に変わることもあるのが特徴です。
春の雲には、2つの雲があります。
[box class=”box26″ title=”春の雲”]
- 巻層雲(けんそううん)
- 高積雲(こうせきうん)
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春の雲について、説明します。
巻層雲(けんそううん)
巻層雲は高度約5000~10000mでできる雲であり、空全体にうすく広がっており、雲があるのかどうか区別するのが難しいです。
空と同化しているくらいに雲としての存在が薄く、「うす雲」や「かすみ雲」という名称もあります。
低気圧にともなう温暖前線の前面に現われることが多く、天気が悪くなる前兆ともいわれています。
高積雲(こうせきうん)
高積雲は、雲のかたまりが集まり、空全体に広がっている雲です。
雲の粒が濃密なので、雲底に灰色の影が見えることが多く、雲の間隔が狭くなってくることにより、雨が降りやすくなる特徴があります。
夏に見えやすい雲
夏になると、日本に夏をもたらす小笠原気団が、西日本を中心に広くおおうようになります。
小笠原気団がおおうことにより、東海から西は安定した晴天が続くようになります。
夏の天気において、夏の大気の状態は不安定であり、各所にわか雨や雷雨を伴うことが特徴です。
大気が不安定な夏において、夏の雲は2つあります。
[box class=”box26″ title=”夏の雲”]
- 積雲(せきうん)
- 積乱雲(せきらんうん)
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夏の雲について、説明します。
積雲(せきうん)
積雲は綿をちぎったような形をしており、晴れた日によく見られる雲となります。
フワフワとした綿状なので「わた雲」という名称もあります。
地表の近くにできるので、大きな雲に見えますが、実際はそうではありません。
地表近くにできる積雲は、地表の温度や湿度だけでなく、地形などの影響も受けやすく、さまざまな形となります。
積乱雲(せきらんうん)
積雲が上昇気流によって垂直に大きく成長した雲です。
高さは10km以上に成長することもあり、地上が暖かく、上空に冷たい空気が流れている時に発生しやすいです。
日本の太平洋側と日本海側で見られる時期が異なるのも特徴であり、太平洋側では夏に、日本海側では冬に多く見られます。
はげしい雨や大雪を降らせる雲であり、集中豪雨や日本海側での豪雪の原因にもなる雲です。
秋に見えやすい雲
秋は、日本付近に夏をもたらした太平洋の高気圧が次第に南に後退し、本州の南岸には秋雨前線が停滞します。
秋の天気は秋雨前線の影響により変わりやすく、秋の雲は西から東に向かって動くのが特徴です。
そんな秋の雲には、4つの雲があります。
[box class=”box26″ title=”秋の雲”]
- 巻雲(けんうん)
- 巻積雲(けんせきうん)
- 高層雲(こうそううん)
- 層雲(そううん)
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秋の雲について、説明します。
巻雲(けんうん)
巻雲は雲の中でも最も高い場所にできる雲です。
フワフワした見た目よりは、白いすじにも見えるので、「すじ雲」という名称もあります。
巻雲が見られる上空では、強い偏西風が吹いており、偏西風の風で氷の粒が流されるので白いすじ状に見えます。
巻積雲(けんせきうん)
巻積雲は小さな雲が集まり、全体に広がった形の雲です。
小さな雲が全体に広がった見た目から、「うろこ雲」、「いわし雲」などの名称もあります。
巻雲と同様に、上空の高い場所にできる雲です。
不安定で変化がはげしい雲であり、巻雲や巻層雲に変わることもあります。
巻積雲が巻雲に続いてあらわれる時は、天気が崩れる前兆ともいわれています。
高層雲(こうそううん)
空全体をおおうように広がる雲であり、地表からは灰色っぽく見える雲です。
太陽光などが地表まで届きにくくなり、おぼろがかったようすから、「おぼろ雲」という名称もあります。
高層雲が厚く成長を続けると、雨を降らせる乱層雲へと変わります。
層雲(そううん)
層雲は最も地表に近いところにできる雲であり、山々やビルにかかることもある雲です。
霧のような形から、「きり雲」という名称もあります。
層雲は雲の中にいる人からは、霧に見えますが、雲の外にいる人からは雲に見えます。
おもに曇り日の朝や夕方によく見ることが可能です。
冬に見えやすい雲
冬の気圧配置は西高東低であり、大陸側からの高気圧から噴き出した風が、日本海をわたって強い寒気を流し込みます。
冬の雲にすじ状の雲が多く見られるのは、アジア大陸では乾燥して雲ができない北西寄りの季節風は、日本海をわたるうちに水分を得るからです。
冬の雲には、2つの雲があります。
[box class=”box26″ title=”冬の雲”]
- 層積雲(そうせきうん)
- 乱層雲(らんそううん)
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冬の雲について、説明します。
層積雲(そうせきうん)
雲のかたまりが集まって空全体をおおい、薄暗い空をつくる雲です。
空全体を曇らせることから、「くもり雲」という名称もあります。
雲と雲の隙間から晴れ間を確認することもでき、空の色合いの違いも楽しめます。
乱層雲(らんそううん)
とても厚い層状の雲であり、高層雲が発達した雲です。
太陽光をほとんど通さないので、地表からは灰色の雲に見えます。
空を広範囲におおい、長時間シトシトと弱い雨を降らせます。高さが低く、雲の色が黒っぽいほど、雨が良く降る特徴があります。
乱層雲の下に、ちぎれ雲が見え始めたら、まもなく雨が降る前兆となります。
まとめ
四季によって見えやすい雲は気圧の影響で様々なものがあり、10種類の雲に分けることが可能です。
雲の動きは、気圧配置の影響を受けることが大きく、四季によってほぼ一定の方角で動くことになります。
何気なく見ている雲ですが、四季の気候を楽しむだけでなく、雲の形も楽しむことができると思います。
また雲によっては、天気が崩れる前兆になるものもあるので、雲を見ることにより天気を予測することも可能になりますよ。
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