竜巻は、短時間に甚大な被害をもたらします。
もし、竜巻が発生したら、どのような被害がおこるのでしょうか?
そこで今回は、
- 竜巻の概要
- 竜巻による被害の概要
- 過去におこった最悪な竜巻
- 竜巻の対策方法
などについて、くわしく紹介します。
タイトル
竜巻きとは?
竜巻とは、積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する激しい渦まきで、それが地上付近にまでのびたものです。
竜巻と台風は似ていますが、はっきりとした違いがあります。
それは、竜巻のほうが、
- 渦まきが小さい
- 移動する距離が短い
- 風がはるかに強い
- 進路が予想できない
ということです。
またたく間に、海や地上のあらゆるものを巻きあげるので、大きな被害をもたらします。
竜巻の風速は、最大で100m/秒程度と推定されています。
また、竜巻の寿命(継続時間)は、数分程度です。
竜巻による被害
竜巻は、短時間でせまい範囲に集中して甚大な被害をもたらします。
竜巻による被害の特徴には、
[box class=”box27″ title=”竜巻の被害”]
- 建物がたおれる
- 車がひっくり返る
- 巻きあげられたものが、猛スピードでとんでくる
- とんできたものにより、窓ガラスが割れたりする
[/box]
などがあります。
また、積乱雲からは、
- ダウンバースト:
積乱雲から吹きおろす下降気流が地表にぶつかり、水平に吹きだす激しい空気のながれのこと- 吹きだしの広がりは数百メートルから十キロメートル程度
- 被害地域は、円形あるいは楕円形など面的にひろがる
- ガストフロント:
積乱雲の下でつくられた冷たい空気のかたまりが、その重みによってあたたかい空気のほうに流れだし発生する- 水平の広がりは、竜巻やダウンバーストより大きい
といった突風が発生することもあり、とくに注意が必要です。
過去最悪の竜巻たち
人類が遭遇した竜巻のなかでも、最悪の被害をだした竜巻トップ5を紹介します。
第5位:1551年「マルタ港の竜巻」死者600人
1551年9月23日、海上に発生した水上竜巻で、
- サンタフェ号
- サンミケーレ号
- サンフィリッポ号
- サンクラウディオ号
の少なくとも4つの輸送船が竜巻で転覆しました。
その後、竜巻は地上に上陸し、周辺の町に大きな被害をだしたそうです。
第4位:1969年「バングラデシュの竜巻」死者660人
1969年4月14日、3つの破滅的な威力をもった竜巻により、
- バングラデシュ中部
- バングラデシュ東部
など、各地で被害が発生したようです。
この竜巻の犠牲者のおおくは、その遺体が激しく切断されていたと言われています。
これはおそらく、家屋の板などがとび、刃物のように人々を切断したからです。
第3位:1973年「バングラデシュの竜巻」死者681人
1973年4月17日、バングラデシュの9つの村をおそった竜巻で、
- 村の1つはすべての家屋が倒壊
- 8つの村はほとんどの家屋が崩れた
とされ、ダッカ地区のマニクガンジだけで、681人が亡くなったとされています。
また、全体の死者数は、少なくとも1000人をこえているのではないかと言われています。
第2位:1952年「トライステート・トルネード」死者695人以上
1925年3月18日、藤田スケールでF5の竜巻がアメリカで発生しました。
※藤田スケールとは、竜巻などによる被害の状況から突風の強さ(風速)をはかるもので、数字がおおきいほど、被害・風速がおおきいことを表します。
この竜巻は、
- 破壊のあとは151から235マイル(243から378km)
- 速度は70マイル(110km/h)
- 死者695人
- 負傷者2027人
- 被害総額16億ドル
で、アメリカ史上最大の被害をだした竜巻と言われています。
第1位:1989年「ダルティプール‐サルトゥリアの竜巻」死者1300人
1989年4月26日にバングラデシュでおきた最強最悪の竜巻で、
- 死者1300人
- 負傷者12000人
- 家屋を失った人80000人
と言われています。
この竜巻は、
- 干ばつ
- 春の嵐
- 低気圧
によってスーパーセル雷雨が生まれたことにより、巨大化したのです。
※スーパーセルとは、通常の数倍から数十倍におおきくなった巨大な積乱雲で、竜巻やはげしい雷雨をともなう。
その風速の推定値は、338~418km/h(210~260mph)で、藤田スケールでは、F3.5~F4とされています。
竜巻への対策方法
まず、竜巻がおこる兆候には、
[box class=”box27″ title=”竜巻の特徴”]
- 雷鳴がきこえる
- 真っ黒い雲がちかづき、あたりが急に暗くなる
- ひやっとした冷たい風が吹きだす
- 大粒の雨やひょうが降りだす
[/box]
などの現象がみられます。
竜巻の移動速度ははやいので、このような兆候を感じたらただちに頑丈な建物などに避難しましょう。
また、屋内・屋外にいる場合、どんな対策ができるか紹介します。
[box class=”box29″ title=”竜巻への対策方法”]
- 屋内にいる場合
- 風の影響をうけにくい窓のない部屋に移動する
- 窓、雨戸、シャッター、カーテンなどを閉める
- 丈夫な机やテーブルの下にはいり、身をまもる
- 戸締りをする時間がないときは、押入れやクローゼットなど窓のない場所へ避難する(飛来物でガラスが割れてケガをするのを防ぐことができる)
- 屋外にいる場合
- 鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物に避難する
- 建物がない場合、水路やくぼみなどに身をふせ、頭をまもる
[/box]
次のような場所は、避難場所として適していないので気をつけましょう。
[box class=”box27″ title=”避難場所として適さない場所”]
- 車庫、ものおき、プレハブなどの建物
- 橋、電柱、樹木などの下
- 自動車やトレーラーハウス
[/box]
まとめ
竜巻は、
- 積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する激しい渦まき
- 短時間でせまい範囲に集中して甚大な被害をもたらす
- 進路が予測できない
- ダウンバースト・ガストフロントといった突風が発生することもあり、注意が必要
ということがわかりました。
そして、過去に最悪の被害をだした竜巻は、
- バングラデシュ
- アメリカ
に多くみられることもわかりました。
そんな竜巻のおこる兆候には、
[box class=”box27″ title=”竜巻の特徴”]
- 雷鳴がきこえる
- 真っ黒い雲がちかづき、あたりが急に暗くなる
- ひやっとした冷たい風が吹きだす
- 大粒の雨やひょうが降りだす
[/box]
などがあり、ただちに頑丈な建物などに避難することが大切です。
また気象庁は、
- 竜巻注意情報:
竜巻やダウンバーストなどによる激しい突風が予測されるとき - 竜巻発生確度ナウキャスト:
竜巻がいまにも発生する可能性の程度を推定
をホームページで発表・公開しています。
これらを活用することで、竜巻から身を守りましょう。
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