日本で、年間にどのくらい竜巻が発生しているかご存じですか?
じつは、日本では平均25個ほどの竜巻の発生が確認されているそうです(海上竜巻をのぞく)。
竜巻の被害にあう確率は、きわめて低いと言っていいくらいの発生件数ですが、もし竜巻に遭遇したら、
- 家屋の倒壊
- 車両の転倒
- 飛来物の衝突
などにより、短時間で大きな被害をもたらすことがあります。
そんな竜巻には、いったいどんな種類があるのでしょうか。
そこで今回は、
- 竜巻・つむじ風・漏斗雲の違い
- 竜巻の概要
- 竜巻の発生条件
- つむじ風の概要
- つむじ風の発生条件
- 漏斗雲の概要
などについて、くわしく紹介します。
竜巻・つむじ風・漏斗雲の違い
竜巻とは、積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する激しい渦まきのことですが、竜巻に似た現象に、
- つむじ風
- 漏斗雲(ろうとうん)
があります。
では、この3つにはどんな違いがあるのでしょうか?
そこでまず、
- 竜巻とつむじ風の違い
- 竜巻と漏斗雲の違い
について、くわしく紹介します。
竜巻とつむじ風の違い
竜巻とつむじ風の違いは、
- 竜巻:
積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する - つむじ風:
晴れた日に強い日射しによって地面が暖められて発生する
という点です。
簡単にいうと、
- 竜巻:
積乱雲にともなう大きな風の渦 - つむじ風:
雲をともなわない竜巻より小さな風の渦
となります。
また、規模のおおきさにも特徴があり、
- 竜巻:
平均で直径数十メートルから、大きなものは直径数百メートルから数千メートル以上 - つむじ風:
直径数メートルから数十メートル
となっています。
竜巻と漏斗雲の違い
竜巻と漏斗雲の違いは、
- 竜巻:
積乱雲の下で地上から細長くのびる渦まき状の上昇気流 - 漏斗雲:
竜巻の発生するまえの段階(地上についてしまうと竜巻がおこる可能性がある)
という点です。
簡単にいうと、
- 竜巻:
下から上にのびていくイメージ - 漏斗雲:
上から下にのびていくイメージ
となります。
また、規模の大きさにも特徴があり、
- 竜巻:
平均で直径数十メートルから、大きなものは直径数百メートルから数千メートル以上 - 漏斗雲:
直径数十メートルから数百メートル
となっています。
竜巻とは?
竜巻とは、積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する激しい渦まきで、それが地上付近にまでのびたものです。
竜巻と台風は似ていますが、はっきりとした違いがあります。
それは、竜巻のほうが、
- 渦まきが小さい
- 移動する距離が短い
- 風がはるかに強い
- 進路が予想できない
という点です。
またたく間に、海や地上のあらゆるものを巻きあげるので、大きな被害をもたらします。
竜巻の風速は、最大で100m/秒程度と推定されています。
また、竜巻の寿命(継続時間)は、数分程度です。
竜巻の発生条件
竜巻の発生の仕組みは台風と同じで、
- 大気の状態が不安定になる
- 上層の風が強い
- 下層で大量の水蒸気を含む
となった時に発生しやすくなります。
日本で起こる竜巻のほとんどは、地上付近で風が回転しているところに、上昇気流が重なり発生すると考えられています。
これは、風が回転しながら上へあがるにつれて、回転の半径が小さくなり風が強くなるからです。
竜巻の主な要因は、
- スコールライン:
活発な積乱雲が次々に発生し線状に並び、激しい対流性降水や突風、気温の急降下、気圧上昇などを伴う雲列のこと - 巨大雷雨のフックエコー:
フックエコーとは、竜巻の前触れとされるエコーで、降水強度が強い部分が鉤(フック)または釣り針状に分布しているものを言う - 停滞前線の南北の移動
- 台風
- 熱帯低気圧
などの不安定な気象条件です。
つむじ風とは
正式名称は、塵旋風(じんせんぷう)で、見かけは竜巻に似ていますが、竜巻とは全く異なる気象現象です。
つむじ風は、竜巻よりも
- ずっと小さい(直径数メートルから数十メートル)
- 風速も強くはない
という特徴があります。
また、つむじ風は火星でも観測され、地球以外の惑星でも気象条件がそろえば発生することがわかりました。
つむじの風の条件
つむじ風が発生するのは、
- 雲が少なく晴れているとき
- 地表ちかくの空気の温度が温められたとき
で、発生時の被害は、たとえば、
- 校庭のテントがとばされる
- サッカーゴールがこわれる
といったような程度で、竜巻とくらべてはるかに小さいです。
漏斗雲とは
漏斗雲とは、竜巻がおこったときに発生する雲で、竜巻のもととなる雲の下から、竜巻とともに地表にむかってのびてくるように発生します。
漏斗雲の由来は、
- 上が太い
- 下が細い
ため、かたちが漏斗のように見えることからきています。
むかしの人々は、漏斗雲のことを「雲にあたまを突っ込んだ巨大なへびや竜の尾」だと考えていたようで、これが「竜巻」の語源となったとも言われています。
また、漏斗雲のように見かけのはっきりした竜巻のほうが強い気がしますが、煙の柱のように見える竜巻のほうが、勢力がつよいことが多いです。
まとめ
竜巻・つむじ風・漏斗雲の違いには、
- 竜巻
- 積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する
- 平均で直径数十メートルから、大きなものは直径数百メートルから数千メートル以上
- つむじ風
- 晴れた日に強い日射しによって地面が暖められて発生する
- 直径数メートルから数十メートル
- 漏斗雲
- 竜巻の発生するまえの段階
- 直径数十メートルから数百メートル
があることがわかりました。
そして、それぞれの概要と発生条件は、
- 竜巻
- 積乱雲にともなう強い上昇気流により発生する激しい渦まき
- 不安定な気象条件
- スコールライン
- 巨大雷雨のフックエコー
- 停滞前線の南北の移動
- 台風
- 熱帯低気圧
- つむじ風
- 雲をともなわない竜巻より小さな風の渦
- 雲が少なく晴れているとき
- 地表ちかくの空気の温度が温められたとき
- 漏斗雲
- 竜巻がおこったときに発生する雲
- 竜巻のもととなる雲の下から、竜巻とともに地表にむかってのびてくるように発生する
ということもわかりました。
それぞれの特徴や発生条件などを知ることで、
- 危険を予想
- 身の安全をまもる
といったことができるようになるかもしれませんね。
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