本格的な台風シーズン真っただ中の秋がやってきました。
台風発生や、上陸のニュースも聞こえてきて、警戒する時期になってきています。
今回は、そんな台風の気になる疑問、「台風・ハリケーン・サイクロンの違いとは?」を解説していきます。
台風・ハリケーン・サイクロンの違い
「台風」、「ハリケーン」、「サイクロン」の違いのポイントは、
- 最大風速の基準
- 地域
- 時期
にあります。
それぞれ「台風」、「ハリケーン」、「サイクロン」、は熱帯低気圧、という点では同じです。
しかし、最大風速の基準は、台風とハリケーン、サイクロンではちがいます。
台風だけは、日本独自に使用される名称で、最大風速が秒速17.2メートル以上に達したもの、という基準も独自のものです。
対して、ハリケーンとサイクロンは、国際基準である最大風速が秒速32.7メートル以上に達したものになります。
そのため、台風よりは発生数が少ないのも特徴です。
また、熱帯低気圧が存在する地域によって、呼ばれ方が変わるというのも違いのひとつです。
ハリケーンは、
- 西経180度以東の北太平洋東部
- 北大西洋およびカリブ海
- メキシコ湾
に存在する熱帯低気圧を指します。
また、サイクロンは、
- ベンガル湾
- 北インド洋
に存在する熱帯低気圧を指します。
それぞれ発生、発達する時期が異なるのも特徴です。
台風は、7月から9月に活発になります。
ハリケーンは地域にもよりますが、おおむね5月から12月がシーズンです。
サイクロンは、4~12月に観測されます。
また、発生時期も台風・ハリケーンとサイクロンでは、大きく異なるのも特徴です。
台風やハリケーンが主に、6月~11月に発生するのに対し、サイクロンは、4月~12月の間に発生します。
サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむ場合は、行先の場所や、時期によって、台風やサイクロン、ハリケーンの発生に注意しましょう。
台風とは
台風とは、西太平洋や南シナ海に存在し、最大風速が約17.2 m/s以上に発達した熱帯低気圧です。
巨大な積乱雲のかたまりである熱帯低気圧は、夏から秋にかけての、温度の高い温かい海水から供給された水蒸気が集まって、大きなエネルギーをともないます。
地球の自転の関係で北上していく台風は、上空の偏西風に乗り、夏から秋を中心に、日本列島にも上陸して、さまざまな被害をもたらします。
台風とタイフーンは似ていますが、基準となる最大風速の数値が違いです。
ハリケーンとは
ハリケーンとは、北東太平洋(カリブ海・メキシコ湾を含む北大西洋、大西洋南部、西経140度より東の北太平洋、180度~西経140度の北太平洋)に存在する、強風を伴う熱帯低気圧のことを指します。
さらに、条件を満たした場所で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が64ノット(約33メートル毎秒、約119キロメートル毎時)以上のものが、ハリケーンです。
ハリケーンの命名は、フロリダ州マイアミにある、米国海洋大気局国立ハリケーンセンターや、ハワイ州ホノルルにある、米国海洋大気局中部太平洋ハリケーンセンターが命名しています。
ハリケーンの名前は、あらかじめ決められた男女交互の名前リストが使用され、年ごとに使用し、一周したのち、7年目にはまた元のリストに戻るそうです。
大型のハリケーンは、メキシコ湾沿岸に上陸する時には、甚大な被害を与えることがあります。
2005年のハリケーン「カトリーナ」は、メキシコ湾沿岸に上陸し、甚大な被害を与えたことは、記憶に新しい出来事です。
サイクロンとは
サイクロンとは、
- インド洋北部
- インド洋南部
- 太平洋南部
で発生する熱帯低気圧のことを指します。
英語でサイクロン(Cyclone)は、低気圧、暴風全般を意味し、台風やハリケーンなどの特別な名称がつかない場合にも、サイクロンの名前が使用されます。
台風に比べると発生数も少なく、規模も小さいことが多いですが、2007年には、「シドル」がバングラデシュに上陸、2008年には、「ナルギス」がミャンマーを直撃するなど、各地で甚大な被害がありました。
台風と熱帯低気圧の違いとは?
台風と熱帯低気圧の違いは、なんでしょうか。
熱帯低気圧とは、亜熱帯や熱帯の海上から、大量の水蒸気を取り込み上昇し、渦を巻いてできる低気圧のことです。
熱帯低気圧の中でも、発達して中心付近の最大風速が17.2m/s以上となると、台風と呼ばれるようになります。
北上するなどで、勢力が弱まっていって、中心付近の最大風速が17.2m/s未満になると、再び熱帯低気圧と呼ばれます。
すなわち、中心付近の最大風速の強さで、台風と熱帯低気圧との判別がなされ、その違いとなるのです。
まとめ
今回は、台風とハリケーン、サイクロンの違いについて、解説しました。
台風とハリケーン、サイクロンは、同じ熱帯低気圧でありながら、存在する場所や、最大風速に違いがあることがわかりました。
台風だけは、日本独自に使用される名称で、最大風速が秒速17.2メートル以上に達したもの、という基準も独自のものです。
対して、ハリケーンとサイクロンは、国際基準である最大風速が、秒速32.7メートル以上に達したものになります。
知らなかったマメ知識で、台風に関する理解を深めるとともに、対策にも役立ててください。
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