台風シーズンの最盛期の秋がやってきました。
涼しくなってきて、おでかけもしたくなるこの季節、台風による天候の変化は気になる人も多いはず。
テレビなどのメディアでも、台風情報を多く見かける機会が増えてきます。
その中で、いつの見聞きしているけれどよく知らないのが台風の番号と台風の名前についてです。
台風はなぜ番号や名前がついているのでしょうか。
夏にやってくる台風は10号などの2桁の番号で、若い番号を見たことがないのはなぜなのでしょうか。
そんな台風の気になる疑問、
- 台風の番号
- 台風の名前
を今回は解説していこうと思います。
台風とは
台風とは、北西太平洋や南シナ海に存在する熱帯低気圧が、熱帯の海上で発生し、最大風速が約17.2 m/s以上に発達した、巨大な積乱雲のかたまりです。
地球の自転の関係で北上していく台風は、空の偏西風に乗り、季節によっては日本列島にも上陸して、さまざまな被害をもたらしてきました。
夏から秋にかけての、温度の高い温かい海水から供給された水蒸気が集まって、大きなエネルギーとなり、気圧が下がっていき、台風は発達していきます。
台風が移動するにともなって、海面や地上との摩擦でエネルギーを消耗し、次第に弱まって消滅していきます。
台風の番号
以前に日本では、台風の名前にはアメリカ式の女性名を用いていましたが、1953年以降、台風には番号がつけらるようになりました。
これにより、日本では、あらかじめ用意されたリストから名前がつけられる「リスト方式」から、番号で表現する「番号方式」となりました。
台風には、アジア名がつけられますが、日本国内では台風番号で呼ぶことが一般的です。
台風の番号のつけ方
気象庁では、毎年1月1日以後に、最も早く発生した台風を第1号として、それ以降発生した順番に、番号がつけられます。
なお、一度発生した台風が、衰えて熱帯低気圧になったあとに、再び発達して台風になった場合には、同じ番号がつけられます。
また、台風番号というものもあり、
- 番号の上2桁が西暦年の下2桁
- 番号の下2桁がその年の台風の号数
を組み合わせたものが、台風番号というものです。
例として、2020年の台風5号は、「2005」と表記されます。
台風の過去最大の番号とは?
台風の過去最大の番号は、どれくらいなのでしょうか。
1年で発生した台風が多ければ多いほど、台風の番号の数字が大きくなるので、発生した台風の数が多い年をピックアップしました。
- 1位:1967年 39個
- 2位:1994年・1970年 36個
- 4位:1966年 35個
- 5位:1964年 34個
1位の1967年には、1年で3、9個の台風が発生しているので、その年には、台風39号までが存在したということになります。
台風のアジア名
台風の名前は以前まで、米国が英語名の人名を付けていました。
しかし、2000年からは、北西太平洋または、南シナ海の領域で発生する台風には、同領域に共通のアジア名をつけることになりました。
台風のアジア名のつけ方
あらかじめ用意された140個の名前リストを、発生順に名づけていき、一巡したらその後再びリストのトップに戻ります。
年間に発生する台風の平年値は、25.6個です。
そのため、リストは5年ほどで一巡して、リストの先頭に戻ります。
リストの名前は台風名を提案した国である、
- カンボジア
- 中国
- 北朝鮮
- 香港
- 日本
- ラオス
- マカオ
- マレーシア
- ミクロネシア
- フィリピン
- 韓国
- タイ
- アメリカ
- ベトナム
の各国が命名し、日本もその命名にかかわっています。
採用される名前の基準としては、
- 文字数が多すぎない(アルファベット9文字以内)
- 音節が多くなくて、発音しやすい
- 他の加盟国・地域の言語で、感情を害するような意味を持たない
などの条件があります。
日本の命名のものは10個あり、名前は星座の名前に由来するものになっています。
また、大きな災害をもたらした台風などの名前は、以後の台風に使用しないように変更することがあります。
インド洋におけるサイクロンは、2004年より、アジア名の命名と同様の方式に変更しました。
台風にアジア名をつける理由
台風に名前がつけられることは、今までご説明してきましたが、台風の名前にアジア名をつける理由があるのでしょうか?
理由としては
- アジアの国々、地域の連携が強化されるという目的
- お互いの文化を尊重し、理解を深めて関心を持ってもらう
- 防災意識を高めて、危険を回避できるようにする
- 番号方式は数字が似ていて、まぎらわしいと
という点です。
アジア名がつけられることによって、アジアの国々や、地域の連携が強化されるという目的があり、お互いの文化を尊重し、理解を深めて関心を持ってもらう、という狙いもあります。
そして、防災意識を高めて、危険を回避できるように、という点にもつながっていきます。
また、番号方式は数字が似ていて、まぎらわしいという点から、世界的にはあまり浸透せずに、アジアでもリスト方式のアジア名がつけられるようになったのも、理由のひとつです。
まとめ
今回は、台風の番号とアジア名について解説していきました。
日本では、台風を番号付けして呼ぶことが一般的で、年の始めから、発生順に番号がつけられます。
世界的に、台風は番号ではなく、アジア名がつけられます。
アジア名では、あらかじめ決めておいた名前リストを割り当てて、名前がつけられるスタイルで、世界的にもリスト方式の方がポピュラーです。
ぜひこちらを参考にして、知っているようで知らない、台風に対する知識を深めてみてください。
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