雪は、古来より冬の風物詩の一つとして挙げられるほど、人の生活に密接しているものでした。
そのため、日本には雪にまつわるすてきな言葉がたくさんあります。
ここでは、それらの言葉を紹介・解説しますので、感傷に浸ったり、家族や恋人などに自慢してみてください。
タイトル
- 1 雪花(せっか)
- 2 淡雪(あわゆき)
- 3 泡雪(あわゆき)
- 4 沫雪(あわゆき)
- 5 餅雪(もちゆき)
- 6 綿雪(わたゆき)
- 7 牡丹雪(ぼたんゆき)
- 8 ぼた雪(ぼたゆき)
- 9 べた雪(べたゆき)
- 10 小米雪(こごめゆき)
- 11 乾雪(かわきゆき)
- 12 霧雪(きりゆき)
- 13 凍雪(こおりゆき)
- 14 粉米雪(こごめゆき)
- 15 粉雪(こなゆき)
- 16 細雪(ささめゆき)
- 17 粒雪(ざらめゆき)
- 18 湿雪(しめりゆき)
- 19 驟雪(しゅうせつ)
- 20 灰雪(はいゆき)
- 21 花弁雪(はなびらゆき)
- 22 水雪(みずゆき)
- 23 薄雪(うすゆき)
- 24 回雪(かいせつ)
- 25 風花(かざはな)
- 26 冠雪(かむりゆき)
- 27 銀花(ぎんか)
- 28 銀雪(ぎんせつ)
- 29 豪雪(ごうせつ)
- 30 残雪(ざんせつ)
- 31 三白(さんぱく)
- 32 垂雪(しずりゆき)
- 33 締雪(しまりゆき)
- 34 秋雪(しゅうせつ)
- 35 終雪(しゅうせつ)
- 36 宿雪(しゅくせつ)
- 37 新雪(しんせつ)
- 38 瑞雪(ずいせつ)
- 39 青女(せいじょ)
- 40 晴雪(せいせつ)
- 41 頽雪(たいせつ)
- 42 どか雪(どかゆき)
- 43 名残雪(なごりゆき)
- 44 俄雪(にわかゆき)
- 45 根雪(ねゆき)
- 46 初冠雪(はつかんせつ)
- 47 初雪(はつゆき)
- 48 不香の花(ふきょう)
- 49 吹溜まり(ふきだまり)
- 50 衾雪(ふすまゆき)
- 51 吹雪(ふぶき)
- 52 暴風雪(ぼうふうせつ)
- 53 暮雪(ぼせつ)
- 54 万年雪(まんねんゆき)
- 55 深雪(しんせつ)
- 56 斑雪(まだらゆき)
- 57 六出(むつで)
- 58 雪曇(ゆきぐもり)
- 59 雪鍋(ゆきなべ)
- 60 雪の果て(ゆきのはて)
- 61 雪の花(ゆきのはな)
- 62 雪見(ゆきみ)
- 63 八日吹き(ようかぶき)
- 64 六花(りっか)
- 65 六華(りっか)
- 66 臘雪(ろうせつ)
- 67 忘れ雪(わすれゆき)
- 68 まとめ
雪花(せっか)
降る雪を花に見立てていう言葉です。
雪の花や六花とも言われますね。
日本では、懐風藻において文武天皇が雪について詠んだ漢詩に登場しています。
また、植物のスノードロップの異名でもあります。
淡雪(あわゆき)
春先に降る、うっすらと積もって消えやすい雪です。
万葉集などの上代の時代においては、泡のようにふわふわした雪という意味で使われていました。
対して、中古に使われている淡雪は、淡くはかない雪という意味で使われています。
また、卵白を泡立ててつくったメレンゲや、それを利用した料理に冠される言葉でもあります。
舌触りが溶けやすい春の雪に似ているから、この呼び名が付いたそうです。
泡雪(あわゆき)
春先のふわふわした消えやすい雪のことです。
前述した淡雪とほぼ同じ意味をもつ言葉ですが、淡雪は雪の在り方に注目した言葉であるのに対し、こちらは雪の見た目にフォーカスをあてた言葉となっています。
沫雪(あわゆき)
意味としては、泡雪とほぼ同じです。
泡も沫も同じように水のあわを意味しています。
餅雪(もちゆき)
餅のようにもちもちした感じの雪です。
わた雪やぼたん雪に近い性質を持っています。
水分が比較的多いためくっつきやすく、形を変えやすいので、雪玉や雪だるまといった雪遊びに適しています。
綿雪(わたゆき)
綿をちぎったような大きな形の雪です。
餅雪や牡丹雪と同じように、水分が比較的多い雪ですが、牡丹雪よりやや小さめのものをさします。
牡丹雪(ぼたんゆき)
雪の結晶が多数くっついて、牡丹のはなびらのように大きな雪片として降る雪です。
ぼた雪ともいわれます。
冬の始まりや終わりなど、気温の高い時期や土地で降る水分が比較的多い雪の中で、とくに大きなだんご状の雪片です。
大きさは、数㎝ですが、ときに直径10㎝ほどにもなります。
粒が大きいので積もりやすいですが、水分も多く、気温が高い日に降るので融けやすいです。
また、重い雪なので、電線に引っ掛かって停電を起こすこともあります。
ぼた雪(ぼたゆき)
北海道方言における、牡丹雪です。
水分を多く含んで重そうなぼたぼたした雪というところからきています。
べた雪(べたゆき)
水分をより多く含んだ、ベタッとした雪です。
気温の高い時期や地域で降ることが多く、地面に積もるとシャーベット状になって滑りやすいので、注意してください。
小米雪(こごめゆき)
小米のように小さく、さらさらとした雪です。
粉米雪とも書かれます。
小米とは、精米時に割れてしまった米のことです。
普通、ふるいにかけられて選別されます。
乾雪(かわきゆき)
水分の少ない雪のことです。
餅雪や牡丹雪のような水分の多い雪は、湿雪といいます。
主に気温が低い豪雪地帯で降ることが多く、さらさらしている小さな雪なので、パウダースノーとも言われます。
一粒一粒は小さいので、短期的には積もりにくいですが、すぐに融けてないので大量に降るとどんどん積もっていきます。
また、滑りやすく付着しづらいので、スキーに適している雪質です。
霧雪(きりゆき)
白色不透明の非常に小さな氷の結晶が、霧のように降ることです。
気象学上では、結晶の直径が1mm以下の雪と定義されています。
結晶は平らな形や細長い形をしているものが多く、雲や霧におおわれているときに、シャワーのように降らない特徴を持っています。
凍雪(こおりゆき)
こおりついた冷たい雪や、地上でかたくこおった雪のことです。
「いてゆき」や「しみゆき」とも読みます。
粉米雪(こごめゆき)
小米雪と同じように、さらさらとした小さな雪です。
粉雪(こなゆき)
さらさらとした、粉のような雪です。
レミオロメンの『粉雪』が有名ですね。
寒さが厳しい豪雪地帯で降る、代表的な乾雪です。
アスピリンスノーやパウダースノーともいわれ、スキーヤーに好まれる雪質といわれてます。
道路雪氷の分類における粉雪は、路面の乾いた新雪が車両の走行によって破壊された軽い粉状の雪をさします。
細雪(ささめゆき)
細かに、またはまばらに降る雪です。
谷崎潤一郎の長編小説である『細雪』でよく知られていますね。
粒雪(ざらめゆき)
粒雪は、粒のように降る雪のことです。
積雪用語としてのざらめ雪は、水を含んだ雪が日中に融け、夜になって再凍結したザラメ糖のような粗い雪のことをさします。
粒の大きさによって、小粒雪や大粒雪と呼び分けられます。
寒さが厳しい地域では雪質が霜に変わり、より固く重くなるので雪かきの際は注意が必要です。
湿雪(しめりゆき)
水分を多く含んだ雪です。
気温の高い時期や地域でよく降る、餅雪や牡丹雪のことをさします。
一粒一粒が大きいので積もりやすいですが、気温が高い時期に降る雪ですので融けやすいです。
水分を多く含んでいるので、くっつきやすくて雪玉や雪だるまを作りやすく、雪遊びには最適の雪質となります。
驟雪(しゅうせつ)
積雲や積乱雲から降る雪のことです。
驟とは、「はやい」や「にわか」といった意味をもった漢字であり、降りはじめと降り終わりが突然の雪となります。
特に、短期間で止むような一過性の驟雪を、にわか雪ともいいます。
玉雪(たまゆき)
比較的丸い雪です。
冬のはじめや終わりの比較的暖かい時期に見られます。
また、雪雲のでき始めている先端部分などでも降ります。
灰雪(はいゆき)
灰のようにひらひらと舞いながら降りてくる雪です。
一般的な雪としては、最も多い雪です。
やや厚みがあり、日光が当たると陰影により灰色の影ができる特徴があります。
花弁雪(はなびらゆき)
花びらのように、はらはらと舞い落ちる大片の雪です。
水雪(みずゆき)
水分を多く含んだ雪です。
みぞれと同じように、雨まじりの雪をさします。
薄雪(うすゆき)
薄く降り積もった雪のことです。
鶏卵と小麦粉で作り、砂糖の衣をかけた菓子を薄雪ということもあります。
また、歌舞伎や浄瑠璃の外題としても知られています。
回雪(かいせつ)
風に吹きまわされる雪のことです。
風が雪を振り回している光景のことをさします。
また、風に舞う雪のように巧みに袖をひるがえして舞う舞姿をたとえた、回雪の袖という言葉もあります。
風花(かざはな)
雲の少ない晴天時に、風に吹かれて舞う雪です。
遠くの山岳地方面が風雪となっているとき、その雪片が上空の風にのって風下の晴れた山麓に飛んでくくる小雪がこう呼ばれます。
群馬県でよくみられる現象です。
冠雪(かむりゆき)
雪が山の頂やものなどに、かぶさるように降り積もった雪のことです。
1年のうち、夏を過ぎて富士山等の山頂にはじめて雪が積もって白くなったことを、初冠雪といいますね。
銀花(ぎんか)
降る雪を銀の花にたとえた言葉です。
文華秀麗集で、藤原冬嗣が使用しました。
また、灯火が美しく見えるのをたとえた言葉でもあります。
銀雪(ぎんせつ)
銀色にかがやく雪のことです。
降り積もった雪を美しく称した言葉となります。
豪雪(ごうせつ)
雪が大量に降る気象をさす言葉です。
一般的には、大雪よりもさらに多い降雪量のときをさします。
大雪地帯では、一夜に1m以上の降雪が豪雪のおおよその目安でしょう。
残雪(ざんせつ)
冬の間に降り積もった雪が、春になっても融けずに残っている状態をさす言葉です。
単に消え残っている雪をさす言葉でもあります。
三白(さんぱく)
正月の三が日に降る雪のことです。
また、3つの白いものをさして、江戸の三白や讃岐の三白とも言われます。
垂雪(しずりゆき)
枝や屋根から滑り落ちる雪をさす言葉です。
締雪(しまりゆき)
雪が降り積もり、その重みによって全体が締まり固くなった積雪のことです。
新雪が時間がたったことで固まった状態をこしまり雪といい、締雪はさらにそれが固くなった状態で、スコップすら容易にはささらないくらい固くなっています。
秋雪(しゅうせつ)
秋に降る季節外れの雪をさす言葉です。
終雪(しゅうせつ)
春を迎えてから、その冬最後に降る雪のことです。
なごり雪や涅槃雪とも言われます。
毎年、気象庁が観測・発表しているので、確認してみるのも面白いかもしれませんね。
宿雪(しゅくせつ)
日数を経てもなかなか消えないで残っている雪をさす言葉です。
残雪と同じような意味を持っています。
新雪(しんせつ)
新しく降り積もった雪をさす言葉です。
降ったばかりなので、雪の結晶がきれいに残っています。
瑞雪(ずいせつ)
おめでたいときに降る雪のことさす言葉です。
中国では、幸せをもたらす雪という意味で使われ、瑞雪が降る雪は豊作になると伝えられています。
青女(せいじょ)
淮南子における霜や雪を降らす女神であり、それが転じて雪や霜のことをさす言葉となりました。
旧暦における9月の異称でもあります。
晴雪(せいせつ)
雪が降った後に晴れた時のことをさす言葉です。
晴れているときに降る雪のこともさします。
また、盛んに乱れ散る桜花をたとえた言葉でもあります。
頽雪(たいせつ)
崩れ落ちる雪のことで、雪崩のことをさす言葉です。
どか雪(どかゆき)
短期間に大量に降る雪のことです。
豪雪地域以外で例年になく一度に大量に降ると、どか雪と呼ばれます。
名残雪(なごりゆき)
春が来ても残っている雪や、春が来てからも名残惜しく降っているような雪のことです。
フォークシンガーであるイルカさんの『なごり雪』が有名ですね。
俄雪(にわかゆき)
突然降ってきて、すぐに止んでしまう雪のことをさす言葉です。
根雪(ねゆき)
冬のあいだ、積雪状態が続いている状態をさしている言葉です。
一般的には、雪国や寒冷地において雪が積もっている状態が続いていることを、根雪が張るといいます。
気象庁では長期積雪といわれ、観測点における積雪が30日以上続いている状態をさしています。
初冠雪(はつかんせつ)
一年のうち、春を過ぎて初めて富士山などの山岳に雪が積もり、白くなっていることをさす言葉です。
日本では、冬の訪れを推し量る指標として使われています。
初雪(はつゆき)
その冬、あるいは新年を迎えて初めて降る雪のことです。
気象庁による定義では、みぞれも初雪として観測されます。
不香の花(ふきょう)
雪を匂いのしない花と見立てた、雪の異名の一つです。
吹溜まり(ふきだまり)
吹雪が起きた時に、風によって舞い上げられた雪が風のよどむ場所に堆積することをさす言葉です。
気象条件によっては短期間で発達し、交通に影響を及ぼしたり、人命にかかわる事態になります。
衾雪(ふすまゆき)
地面に衾をかけたように、一面に白く降り積もった雪をさす言葉です。
また、降ってくる雪片が非常に大きい雪をさす言葉でもあります。
吹雪(ふぶき)
雪が激しい風に吹かれて乱れ舞っている気象状態をさす言葉です。
晴れているときに、積もった雪が風によって吹き上げられたものは地吹雪といわれます。
吹雪が起きると、視界や太陽光が遮られてしまい、見通しが効かなくなるので、とくに車を運転しているときなどは注意が必要です。
非常に強い吹雪の場合は、視界すべてが真っ白になるホワイトアウトといった現象が発生します。
暴風雪(ぼうふうせつ)
暴風に雪が伴っている気象のことです。
風速が毎秒20mを越えている吹雪のことをさします。
暮雪(ぼせつ)
夕暮れに降る雪のことです。
また、夕暮れに見る雪景色のことをさす言葉でもあります。
万年雪(まんねんゆき)
高い山などで一年中、積もった雪や氷のかたまりが残っている状態をさす言葉です。
氷河と違って、夏場は雪がそれなりに融けるので数年単位で積雪が更新されるほか、移動することはほとんどありません。
深雪(しんせつ)
深く積もった雪のことをさす言葉です。
「みゆき」とも読みます。
斑雪(まだらゆき)
まだらに降り積もった雪や、まだらに消え残った雪のことです。
はだれ雪やはだら雪ともいわれます。
六出(むつで)
雪の結晶を花にたとえた、雪の異称の一つです。
雪の結晶が六弁の花に似ていることから、このように呼称されます。
雪曇(ゆきぐもり)
今にも雪が降りだしそうな空模様のことです。
雪鍋(ゆきなべ)
大根おろしを使った鍋料理である、みぞれ鍋の別称です。
大根おろしが雪やみぞれに似ているから、このように呼称されます。
雪の果て(ゆきのはて)
春が近づき、暖かくなってきたころに降る、降りじまいの雪です。
陰暦2月15日の涅槃会の前後に降ることから、涅槃雪ともいわれます。
雪の花(ゆきのはな)
雪が降るさまを、花が散るさまに見立てた言葉です。
また、樹木や山に積もった雪を咲いた花に見立てて、呼称することもあります。
雪見(ゆきみ)
降雪や雪景色を見て楽しむ風俗の一つです。
雪見の宴の記録としては、『日本三大実録』に見えるのが最も早い例で、江戸時代になると庶民にも普及しました。
八日吹き(ようかぶき)
東北や山陰地方で、陰暦12月8日に降る吹雪のことをさす言葉です。
大師講吹きとも呼称されます。
12月8日は事八日という年中行事を行う日であり、例年、ほぼ同日にこの雪が降ると信じられていました。
六花(りっか)
雪の結晶を花にたとえた、雪の異称の一つです。
雪の結晶が六角形であることから、このように呼称されています。
六華(りっか)
六花と同じく、雪の結晶が六角形であることから付けられた、雪の異称の一つです。
臘雪(ろうせつ)
陰暦12月に降る雪のことです。
陰暦の12月の異称が臘月であることから、このように呼称されます。
忘れ雪(わすれゆき)
終雪や雪の果てと同じように、春を迎えて降る最後の雪のことをさす言葉です。
まとめ
以上、雪にまつわる様々な言葉をご紹介いたしました。
知っている言葉から、はじめて耳にするような言葉までたくさんありますね。
銀花や六花など、雪を花にたとえた言葉が多くあるので、昔の人は冬に咲かない花を雪に見たのでしょうか?
これを機に雪の言葉を覚えて使ってみてくださいね。
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