風は様々な吹き方があり、季節や地域によって数多くの呼び名があります。
このような風において、季節に左右されない風があるのをご存知でしょうか?
季節に左右されない風は、最も身近で感じることができる風であり、年中吹いている風もあります。
季節に左右されずに吹く風は、「季知らずの風(ときしらずのかぜ)」と呼び、吹き方以外にも様々な特徴があります。
季知らずの風にはどのような風なのか説明していきます。
季知らず(ときしらず)の風
日本は四季だけでなく、様々な地形があるので、四季以外にも地域独特の風が多数存在します。
季知らずの風は、四季に問われるだけでなく、地域にも影響されない特徴があります。
季節、地域に影響されない季知らずの風は、私たちの身近にあり、いつでも感じることのできる季知らずの風には、どのような特徴があるのでしょうか。
季知らずの風は、
1風が吹く場所
2風の方位
3風が吹く時間
の3種類によって分けることができます。
それぞれの特徴における季知らずの風について説明していきます。
1.場所による季知らずの風
様々な場所で吹き付ける季知らずの風は、それぞれ違った呼び方があります。
季知らずの風は場所によって、どのような呼び方があるのでしょうか。
天つ風(あまつかぜ)
類義語に天つ嵐という言葉があり、はるか高い上空で吹いている風となります。
家風(いえかぜ)
自分の家から外に向かって吹いている風となります。
磯松風(いそまつかぜ)
磯の周辺に生えている松並木の間を吹き抜ける風となります。
海風(かいふう)
うみかぜとも呼ぶ季知らずの風であり、快晴の日に沖から陸地に向かって吹く風となります。
川風(かわかぜ)
紅風(こうふう)とも呼ぶことがあり、川面を吹き抜ける風となります。
川から吹いてくる風の場合も、川風となります。
逆風(ぎゃくふう)
進行方向から吹いてくる風であり、向かい風となります。
河原風(かわらかぜ)
河原を吹き抜ける風、または河原から吹いてくる風となります。
高風(こうふう)
空の高い所を吹いている風となります。天つ風に近い意味となります。
木の下風(このしたかぜ)
生い茂る木々の下を吹き抜けていく風となります。
潮追風(しおついかぜ)
潮の干満に従って、風向きが変わる風となります。
島風(しまかぜ)
島を覆うように吹き渡る風、もしくは島から吹いてくる風となります。
袖の羽風(そでのはかぜ)
衣服の袖を振る際に起こる風であり、鳥が羽ばたく様子に例えた風となります。
軒の下風(のきのしたかぜ)
家屋の軒下を吹き抜ける風、もしくは軒下から吹いてくる風となります。
ビル風(びるかぜ)
ビル街の間やビルに囲まれた広場で起こる強風の乱気流となります。
矢風(やかぜ)
射られた矢が飛んでいく際、空気を割くことにより生じる風となります。
2.方位による季知らずの風
東西南北のあらゆる方位から吹く季知らずの風は、それぞれ違った呼び方があります。
季知らずの風は方位によって、どのような呼び方があるのでしょうか。
泰風(たいふう)
ものを豊かにさせる西風となります。
「泰」はゆたか、やすらか、大きいといった意味があります。
偏西風(へんせいふう)
赤道において、中緯度地帯の上空で西寄りに吹き付ける風となります。
偏東風(へんとうふう)
赤道付近における低緯度地帯で吹き付ける東寄りの風となります。
恵風(けいふう)
草木に恵みを与え、健やかに生長させるやさしい南風となります。
戌亥(いぬい)
北西から吹き付ける風となります。
十二支をそれぞれの方位に当てはめた際、子を北にすると、戌と亥の中間は北西になります。
丑寅風(うしとらかぜ)
北東から吹き付ける風となります。十二支をそれぞれの方位に当てはめた際、子を北にすると、丑と寅の中間は北東になります。
北打(きたうち)
ムチか平手で強く打ち付けるように厳しく吹き付ける北風となります。
広莫風(こうばくふう)
北方の強い風となります。広莫は広く、はるかに大きい意味であり、中国では北方の広野を指しています。
やまじ
南寄りの強風であり、台風の頃には危険が伴う暴風へと変わります。
南風(みなみかぜ)
南国を連想させるような、南から吹いてくる暖かい風となります。
3.時間による季知らずの風
時間によって吹き付ける季知らずの風は、それぞれ違った呼び方があります。
季知らずの風は吹く時間によって、どのような呼び方があるのでしょうか。
朝風(あさかぜ)
朝に吹く風となります。
日の出後しばらく、海辺付近では陸地から沖合へ、山間部では頂上から谷に向かって風が吹くことが多いです。
一陣の風(いちじんのかぜ)
突発的にサッと吹く風となります。
暁風(ぎょうふう)
夜明け前の薄暗い時に吹く風となります。
小夜嵐(さよあらし)
夜中に吹き荒れる嵐のような風となります。
終風(しゅうふう)
1日中吹き続ける風となります。
少女風(しょうじょふう)
雨が降る前、雨が降ることを知らせてくれるような優しい微風です。
晩風(ばんぷう)
夕方から晩にかけて吹く風となります。
日和風(ひよりかぜ)
天気が回復する兆しとなる風であり、良い日和になる兆候だといえます。
夕風(ゆうかぜ)
夕方になると吹いてくる涼しげな風となります。
余風(よふう)
強風が吹き続いた後、名残惜しそうにしばらく吹いている風となります。
まとめ
季知らずの風は、風が吹く場所や方位、時間に関係があるといえます。
場所や方位、時間の条件さえ整えば、季知らずの風を感じることができるので、私たちの最も身近な風だといえるでしょう。
季知らずの風は季節だけでなく、地域にも影響されませんが、特定の条件が必要な風となります。
特定の条件を知っておくことにより、季知らずの風を楽しめると思います。
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