風力発電は風があれば発電することが可能であり、半永久的に電力を得られる発電方法となります。
地球環境にもやさしい風力発電は、欧米諸国では主流になりつつある発電方法だといえるでしょう。
世界各国で取り入れている風力発電には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
風力発電のメリット・デメリットを説明したいと思います。
風力発電のメリット
風力発電は再生可能エネルギーであり、地球環境にもやさしい点で優れているといえます。
風力発電のメリットには、
環境への負荷が少ない
変換効率の高さ
夜間でも発電可能
の3つのメリットがあります。
風力発電の3つのメリットには、それぞれどのような特徴があるか説明したいと思います。
1.環境への負荷が少ない
風力発電は、二酸化炭素や有害物質を排出しないので、地球環境への負荷が少ない発電方法となります。
地球温暖化や自然破壊といった環境問題の心配がないことが、最大のメリットともいえるでしょう。
地球上にいる限り、半永久的に風を利用した発電方法であることがポイントとなります。
2.変換効率の高さ
電気エネルギーの変換効率とは、入力したエネルギーの内、どれだけ電気が得られるかの割合となります。
太陽光発電の変換効率は約20%、地熱発電は約10~20%であるのに対し、風力発電は約20~40%となります。
風力発電は他の発電方法よりも変換効率が高い点がメリットだといえるでしょう。
3.夜間でも発電可能
太陽光発電は太陽光がなければ発電できないので、夜に発電することは不可能となります。
風力発電であれば、風さえあれば夜でも発電可能なので、24時間発電し続けることも可能だといえるでしょう。
風力発電のデメリット
風力発電は、風力発電機の設置に広い土地が必要となります。
風力発電のデメリットには、
発電量は風速次第
騒音が発生する
風力発電機の設置場所が限定的
の3つのデメリットがあります。
風力発電の3つのデメリットには、それぞれどのような特徴があるか説明したいと思います。
1.発電量は風速次第
風力発電は、風の力を利用して発電しているので、風が無ければ発電することができません。
風速が弱い場所では、発電量も減ってしまうので、採算性が合わなくなるデメリットがあります。
風力発電機を設置する際には、慎重に設置場所を選定する必要があるでしょう。
2.騒音が発生する
風力発電機のブレードが回転する際、機械音や低周波音が発生してしまうので、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。
風力発電機を設置する際は、近隣への影響を考慮した場所選びも必要になるでしょう。
3.風力発電機の設置場所が限定的
風力発電は設置条件をクリアするだけでなく、近隣の理解も必要になるので、設置場所が限定的になるデメリットがあります。
設置場所が限定されてしまうので、風力発電機の設置が思うように進まないことにもつながるでしょう。
風力発電の課題
風力発電は地球に対してエコであり、積極的に取り入れるべき発電方法だといえます。
しかしながら、風力発電による発電量は算出しにくく、近隣住民の理解が必要だといえるでしょう。
近隣住民の理解を得ることさえできれば、沢山の風力発電所を建設できるのでしょうか?
風力発電を積極的に取り入れるためには、
自然環境に対する影響
安全性の確保
大規模な発電設備に伴うコストの問題
の3つの課題を克服する必要があります。
それぞれの課題にはどのような特徴があるのか説明したいと思います。
自然環境に対する影響
風力発電だけではなく、ほぼすべての再生可能エネルギーは、自然環境に対する影響がまったく無いわけではありません。
地熱発電や水力発電などの規模の大きい発電設備は、自然環境への調査と対策が義務付けられています。
風力発電の場合、
陸上発電設備では鳥類が衝突するバードストライクへの対策
洋上発電設備では海洋生物や漁業への影響
それぞれの点を考慮する必要があります。
再生可能エネルギーは自然との共生が最も重要なテーマであり、貴重な動植物の保護だけでなく、私たちの生活を守る取り組みが重要だといえるでしょう。
安全性の確保
風力発電の課題には、風力発電所の設置に伴う安全性の確保が必要となります。
2013年以降、三重県と京都府で風力発電設備の落下事故が発生しています。
タワー部分が破損し、風車部分が落下・倒壊する事故となります。直径80mを超えるような風車が落下することは、近隣住民に不安を与えるものになってしまうでしょう。
三重県の事故については、原因究明も完了しており、人為的なミスとシステムの不具合が重なった事故でした。
一方、京都府の事故については原因不明となっています。
このような事故を教訓にして、今まで以上に安全な風力発電設備の建設と事故防止の対策、運営が求められています。
今後も落下事故が繰り返されるようであれば、将来的なエネルギー供給源として、風力発電の拡大を進めるのは難しいものとなるでしょう。
大規模な発電設備に伴うコストの問題
風力発電は太陽光発電よりも大規模な事業になることが多く、事業に必要な資金も数十億から数百億の費用をかけるケースもあり、事業費が増大する傾向があります。
事業費の増大は、事業者にとって大きなリスクとなり、風力発電が抱える課題だといえるでしょう。
コストの課題は、洋上風力発電が特にポイントとなります。
洋上風力発電は海洋上に風力発電設備を設置する方法であり、海上だけではなく、港湾や湖、沿岸部に設置する風力発電所となります。
洋上に風力発電設備を建設するには、波や潮流による揺れを抑える対策が必要なだけでなく、電力を陸上に送るための送電ケーブルを海底に設置しなければいけません。
発電開始後も設備のメンテナンスを洋上で行なうことになるので、よりコストがかかってしまいます。
洋上での風力発電は陸上よりもはるかにコストがかかってしまい、事業者にとって尽きない課題だといえるでしょう。
まとめ
風力発電を積極的に取り入れるためには、風力発電のメリット・デメリットを考慮するだけでなく、風力発電が抱える課題を克服しなければなりません。
私たちが快適な生活を送る上で、大量に消費する電気がどのようか過程で造られているかを、意識して電気を使うことが重要だといえるでしょう。
地球上に住んでいる人々が、より良い未来を描くためには、地球の資源を守ることが大切だといえます。
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