台風シーズンの最盛期の秋がやってきました。
夏から秋にかけてやってくる、日本ではなじみ深い「台風」。
テレビなどのメディアでも、台風情報を多く見かける機会もふえてきます。
今回は台風について解説していくとともに、
- 台風の語源
- 台風の一生
を中心に
- 台風の発生する時期
- 台風の大きさと強さ
- 台風による被害
- 台風の号数
- 台風のアジア名
なども解説していきます。
台風とは
台風とは、北西太平洋や南シナ海に存在する熱帯低気圧が、熱帯の海上で発生し、最大風速が約17.2 m/s以上に発達した巨大な積乱雲のかたまりです。
夏から秋にかけての温度の高い、温かい海水から供給された水蒸気があつまって、勢力をあげていきます。
そして、気圧がさがった台風は、大きなエネルギーをもち、発達していきます。
地球の自転の関係で北上していく台風は、上空の偏西風にのり、季節によっては、日本列島に接近、上陸します。
台風は強風域や暴風域をともなって強風や強い雨をもたらし、多くの場合に災害がおこることがあります。
台風の語源
「台風」の名前には語源があるといわれています。
中国では、激しい風のことを「大風(タイフーン)」といいます。
タイフーンという言葉が、ヨーロッパ諸国で「Typhoon(タイフーン)」となり、普及しました。
その後、日本では音の響きにあわせて、「台風」という字をあてはめたといわれています。
しかし、国際的な気象用語としての「タイフーン」と、日本の「台風」とでは、微妙な違いがあるということです。
タイフーンは台風の中でも、最大風速が33m/s以上のものとされ、台風の最大風速が約17.2 m/s以上と定義がちがいます。
そのため、実は台風とタイフーンは同じように見えてもちがうものなのです。
台風の一生
台風が発生してから消滅するまでの一生は、どのようなものなんでしょうか。
台風の一生は、大きくわけると、
- 台風の発生
- 台風の発達
- 台風の消滅
の3つです。
台風の発生
台風は、赤道付近の熱帯の海上でうまれ、台風の一生がはじまります。
海水温が高い赤道付近の熱帯の海は、上昇気流が発生しやすく、湿った空気が上昇して、積乱雲がたくさんあつまります。
そのうずを巻いた雲のかたまりは、台風のたまごともよばれる、熱帯低気圧です。
熱帯低気圧は雲をまとめながら、うずを巻き、勢力を強め、うずの中心付近の気圧をさげていきます。
熱帯低気圧は回転し、移動をはじめながら、どんどん大きくなって、勢力を強めていき、しだいに、台風の基準となる最大風速を持つようになります。
それが台風とよばれるものです。
この時期の雲のかたまりは、進行方向や速度が、非常に不安定なのが特徴です。
台風の発達
熱帯の海上で発生した熱帯低気圧は、勢力をもち、台風の基準となる最大風速をもつようになり、台風とよばれるようになります。
温かい海面から、上昇気流によって水蒸気を取りこんでエネルギーが増した台風は、だんだんと発達していきます。
発達した台風の中心気圧は、急速にさがっていき、最低までさがり、勢力が一番強くなる期間です。
この頃の台風は、東風の影響をうけて、西へ進んでいき、その後、北へむかっていきます。
さらにその後、西からの風に流されて、東へ進んでいきます。
台風の中心気圧が最低までさがったのち、中心付近の最大風速が徐々に弱まっていくのです。
最盛期をむかえた台風は、暴風の範囲がひろがっていきますが、しだいに速度が遅くなる傾向にあります。
台風が向きを変えることを、「転向」とよびます。
台風の転向は、最盛期にあたる時期に多くおきるものです。
偏東風で北西に移動していた台風が、気圧の谷にひきずられて、偏西風の中に入っていくためといわれています。
転向後、台風は北東へ進み、速度をあげていきます。
その速度は、およそ30km/hから、緯度が高くなるにつれて、速度は50km/hくらいです。
台風の消滅
台風が熱帯をはなれると、熱を含んだ空気が少なくなります。
また、台風は取りこむ力が入らなくなるため、力が弱くなっていきますが、暴風圏の大きさはあまりかわりはないです。
その後、台風の形はくずれていって、気圧があがっていきます。
台風の中心気圧が960hpaとあがってきて、最大風速も35m/s前後になり、衰えを見せはじめます。
日本に接近、上陸する台風は、だいたいこの時期のものです。
しかし、衰えているとはいえ、台風の猛威での被害がおきうる可能性はかわりないので注意が必要です。
その後、台風のうずが弱くなることで、風の力も小さくなっていってしまいます。
やがて台風は、北上するにつれて、勢力が衰弱し、消滅していきます。
台風は北上することで、寒気が入りこみ、勢力を弱め、台風の性質がなくなってしまったことにより、台風の基準を満たさなくなり、温帯低気圧と名前をかえるのです。
しかし、勢力が衰えているとはいえ、風の勢いは広範囲にうけてしまうため、温帯低気圧の中心から離れた場所で、被害がおきることがあるので、注意が必要です。
また、台風がそのまま衰えて「熱帯低気圧」に変わるケースもあります。
この場合は、最大風速が17m/s未満になっただけで、台風の基準から外れただけのものなので、台風同様に、強い雨が降ることがあります。
日本に接近、上陸する台風は、最盛期と衰弱期のものがほとんどです。
ここまで、台風の一生について、解説をしてきました。
解説をしてきた台風の一生は、典型的なケースですが、台風それぞれ、さまざまな発生から発達、消滅の過程を経ていきます。
その中には、偏西風に流されないで押しきってすすみ、北西に進路をとるものや、偏西風にのれずに消滅したりするものもあります。
ときには、進路が複雑で定まらずに、逆戻りしたり、円を描きながらループしてしまったり、停滞したりする異常進路の台風もあります。
これら台風は「迷走台風」とよばれ、典型的な動きをせずに、複雑な動きをする台風です。
台風それぞれの過程では、イレギュラーなものもあるので、それぞれのうごきをニュースなどで、きちんと把握して、注意しておく必要はあります。
台風の発生する時期
台風は、季節問わずに1年中発生するものです。
数は少ないですが、冬にも発生します。
ですが、台風が多く発生する時期は、日本がある北半球が最も温かい時期である、7月~10月が中心です。
そのなかでも上陸が多いのは、台風が日本列島の通り道になる、8月と9月になります。
台風の発生する時期について、くわしく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
台風の大きさと強さ
台風の強さは、風速の強さによって段階づけられ、台風の大きさは暴風域の半径によって段階づけられます。
強さの段階づけは、
- 「強い」最大風速33m/s以上44m/s未満
- 「非常に強い」最大風速が44m/s以上54m/s未満
- 「猛烈な」最大風速は54m/s以上の台風
の分類です。
また、大きさの分類は、
- 500~800kmのものが「大型」
- 800km以上の大きさのものを「超大型」
にわけられます。
台風の強さと大きさについて、くわしく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
>>台風の大きさと強さはどう決まる?|最強台風ランキングも紹介
台風による被害
台風が発生すると、
- 大雨
- 暴風
- 高波
- 高潮
などが引きおこされます。
その結果、
- 河川洪水
- 河川氾濫、
- 土石流
- 土砂崩れ
- がけ崩れ
- 地すべり
といった被害がでてしまうのです。
近年では、宅地開発などがすすんだ都市部で、急激な増水もしばしばおこり、街の水没による住宅や、都市機能の停止などが発生します。
台風による被害について、くわしく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
台風の号数
気象庁では、毎年1月1日以後に最も早く発生した台風を第1号として、それ以降、発生した順番に番号がつけられます。
また、台風番号というものもあり、番号の上2ケタが西暦年の下2ケタ、番号の下2ケタがその年の台風の号数を組みあわせたものが、台風番号というものです。
台風の号数について、くわしく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
台風のアジア名
日本では、台風を番号づけして呼ぶことが一般的で、年のはじめから、発生順に番号がつけられます。
世界的に、台風は番号ではなく、アジア名がつけられます。
アジア名では、あらかじめ決めておいた名前リストを割りあてて、名前がつけられるスタイルで、世界的にもリスト方式の方がポピュラーです。
リストには、日本の命名の名前は10個あり、名前の由来は、星座の名前になっています。
台風のアジア名について、くわしく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
夏から秋の季節になると、日本付近では毎年台風が多く発生する台風。
まずは「台風」の名前の語源についてを解説してきました。
中国では、激しい風のことを「大風(タイフーン)」といい、その言葉がヨーロッパ諸国に渡って「Typhoon(タイフーン)」となり、普及しました。
その後、タイフーンという言葉は、日本では音の響きに合わせて「台風」という字にあてはめられ、台風と名づけられたといわれています。
次に、台風の一生について解説していきました。
台風の一生は、大きく分けると、
- 台風の発生
- 台風の発達
- 台風の消滅
の3つの段階にわけることができます。
台風の発生から消滅についての過程を解説していきます。
まず、赤道付近の熱帯の海上で、湿った空気が上昇することにより、雲をたくさん作り出すことからが台風のはじまりです。
その後、湿った空気が上昇することにより、雲がたくさんあつまってうずを巻き、台風のたまごである熱帯低気圧が発生、やがて台風になっていきます。
そして、台風の発達の過程では、回転しながら移動した台風が、湿った空気を取りこんで勢力をつよめるものです。
のちに、北上をして、台風が熱帯をはなれると、台風は取りこむ力がはいらなくなるため、力が弱くなり、台風の形は崩れ、気圧があがり、衰えを見せはじめます。
日本に接近、上陸する台風はだいたいこの時期の台風です。
最後に、台風は、さらに北上することにより、寒気が入り、うずが弱くなることで、風の力も小さくなり、温帯低気圧に変わっていき、台風の一生を終えます。
- 台風の語源
- 台風の一生
を中心に
- 台風の発生する時期
- 台風の大きさと強さ
- 台風による被害
- 台風の号数
- 台風のアジア名
を理解することにより、台風の動きをよりよく知って、危険や被害を回避して、よりよい暮らしの役にたてたらと思います。
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