雲はどうして動くのか?西から東に動くメカニズムとは

雲,動き

何気なく空を見上げると、数多くの雲が上空に浮かんでいるのを見ることができます。

さらに雲を注意深く観察すると、どの雲も動く方向がほぼ一緒であり、西から東に動いていることが確認できると思います。

大きさや種類もバラバラなのに、どうしてほとんどの雲は西から東に動いているのでしょうか。

この記事では、雲が動く理由、雲が西から東に動くメカニズムを解説したいと思います。

 雲が動く理由

雲,動き

雲は上空に浮かんでいるので、風の影響を受けて動くことになります。

風といっても、地表に吹いている風ではなく、上空を吹いている風の影響を受けることになります。

地表付近でまったく風を感じない時でも、上空では風が吹いていることがあるので、雲だけが動いているように見えるでしょう。

雲の種類によっては、上空で強い風が吹いていても、動かずに上空を漂っている雲もあります。

高い山の山頂をおおうような笠雲(かさぐも)やつるし雲は、山から吹き下ろす強い風が吹いても動きません。

風に影響されない雲もありますが、雲が動く理由において、風が大きくかかわっているといえるでしょう。

西から東に動く雲

雲,動き

上空を動いている雲を注意深く観察すると、ほとんどの雲は西から東に動いており、偏西風が大きくかかわっているといえます。

日本の上空では、偏西風といわれる強い西風が吹き続けており、上空高い位置にある雲は西から東に動くことにつながります。

偏西風の影響を受けることにより、ほとんどの雲は西から東から動くことになるので、雲が西から東に動くように見えるのでしょう。

雲が西から東に動く理由には、天気などの条件以外にも、偏西風が重要だといえます。

偏西風とは

雲,動き

日本の上空には、西から東に向かって強い風が吹いており、偏西風といわれています。

偏西風は上空10000m付近で吹いているので、私たちが偏西風を感じることはありません。

偏西風は西から東に向かって、強い風が吹き続けているので、雲を西から東に動かし続けます

偏西風が吹く理由には2つの要因があります。

[box class=”box26″ title=”偏西風が吹く理由”]

  1. 地球の自転
  2. 温度差

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偏西風が吹く2つの理由について、説明したいと思います。

1.地球の自転

偏西風は、地球の自転によって生み出されており、雲が西から東に向かって動いているように見える要因にもなります。

地球は北極と南極を結ぶ軸を地軸として、地軸のまわりを1日に1回転しており、この回転のことを自転といいます。

風が東向きへと向きを変えるようになるのは、地球の自転は西から東に向かって回転しており、ずっと回転し続ける力があるからです。

赤道付近の中緯度地帯が自転の影響が大きくなるといえるでしょう。

地球の自転により、東向きへと変わった風の影響を受けて、上空の雲は西から東側に流されるようになります。

2.温度差

南北の温度差があるほど、偏西風は強い風となり、ジェット気流と呼ばれる強い風になります。

風は暖かい場所から寒い場所に流れていく性質があり、地球上でも同じように、暖かい赤道付近から寒い北極や南極に向かって風が吹いていきます。

南北の温度差によって発生した風は、地球の自転により東向きに流されていくことにより、西から東に向かって吹く風となるでしょう。

偏西風が吹くのは、南北で発生した温度差によるものだといえます。

ジェット気流とは

雲,動き

ジェット気流とは、上空10000mで吹く強い西風のことであり、冬季には時速300km/hを超える偏西風となります。

台風でさえも、ジェット気流の強烈な力によって、進路が変わることもあります。

上空10000mで吹いているジェット気流は、私たちが体感することはありませんが、私たちの生活に大きく関わっているといえるでしょう。

ジェット気流が及ぼす影響には2つのものがあります。

[box class=”box26″ title=”ジェット気流の影響”]

  1. 天気への影響
  2. 気候への影響

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ジェット気流が及ぼす2つの影響について説明したいと思います。

1.天気への影響

日本の天気が西から東に向かって変わっていくのが多いのは、上空のジェット気流が西から東に向かって雨雲を運んでいるからです。

中国大陸で発生した前線や低気圧、高気圧は上空で発生しているジェット気流にのって、日本にやってきます。

前線や低気圧、高気圧がジェット気流にのることにより、西から東に流れていくので、日本の天気も西から東に向かって変わっていくことが多くなります。

2.気候への影響

海面水温により、ジェット気流は南北にずれることがあり、気候に大きく影響することがあります。

ジェット気流が日本を吹き抜ける際、通るルートによっては、日本の夏が猛暑になったり冷夏になったりもします。

海面水温が異常に高くなることにより、ジェット気流は北側にズレることになり、南からのジメジメとした暖かい空気が入りやすくなり気温上昇につながります。

逆に、海面水温が異常に低くなることにより、ジェット気流は南側に下がるので、北からの冷たい空気が入りやすくなり冷夏につながるといえるでしょう。

初夏において、本州北部沖と日本海中心部の海水温が、異常に高くなると日本列島は猛暑になり、逆に異常に低くなることにより日本列島は冷夏になるといわれています。

ジェット気流が通るルートは、海面水温と密接な関係があり、ジェット気流のルートは気候にも影響しているといえます。

まとめ

雲,動き

上空に浮かんでいる雲が西から東に向かって動いているのは、偏西風の影響であり、雲の動きと風には密接な関係があるといえます。

特に強く吹く偏西風は、ジェット気流とよばれ、私たちの生活にも密接に関係しています。

雲が西から東に動くことを意識することにより、ある程度の天気を予想することができるかもしれませんね。

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