新聞やニュース番組で「黄砂」や「PM2.5」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
黄砂とPM2.5という言葉は、春頃になるとよく取り上げられるので、同じようなものだと思っていませんか?
どちらも花粉症に似た症状を引き起こすので、同じようなものだと思いますが、実はまったく違うものです。
この記事では、黄砂とPM2.5の違いを説明し、それぞれの症状や対策方法も説明したいと思います。
タイトル
黄砂とPM2.5の違いとは
黄砂とPM2.5はどちらも小さな粒子であり、花粉症に似たような症状を引き起こすこともあるので、いくつもの共通点があります。
黄砂とPM2.5は似たような性質がありますが、まったく違う物質となります。黄砂とPM2.5の違いにおいて、
- 黄砂は土壌・鉱物粒子
- PM2.5は大気中の2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称
黄砂とPM2.5の違いについて、説明したいと思います。
黄砂
黄砂は中国大陸から強い偏西風に乗って、飛来した土壌・鉱物粒子であり、0.5~8ミクロンほどの大きさです。
黄砂に細菌やカビなどの微生物が付着して、飛来することがあるために、様々な健康被害を及ぼす可能性があります。
PM2.5
PM2.5は大気中に存在する2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称であり、黄砂と違い、大気汚染物質として認識されています。
黄砂でも2.5ミクロン以下であれば、PM2.5に該当します。PM2.5を構成している主な成分は、硫酸塩や硝酸塩、カーボン系の物質です。
黄砂とは
黄砂は中国大陸内部の乾燥地帯において、乾燥した土壌が強風によって上空まで舞い上げられた、土壌・鉱物粒子です。
上空に舞い上げられた黄砂は、西から東に向かう強い偏西風に乗って、中国大陸から日本海をわたり、日本に飛来します。
黄砂は土壌の水分量や風速などの条件下によって、飛散量が増減するので、その年によって日本に飛来する黄砂の量も変わります。
粒子の大きい黄砂は、上空に舞い上がってもすぐに落ちるので、日本に飛来することはありません。
粒子の小さい黄砂のみが、上空の偏西風に乗って、日本に飛来するのだといえます。
黄砂による被害
空一面が黄褐色になり、見た目的には幻想的な黄砂ですが、様々な被害があります。
黄砂による被害は、様々なものがありますが、
- 生活面での被害
- 健康面での被害
が主な被害です。
黄砂による被害について、それぞれ説明したいと思います。
生活面での被害
黄砂が日本に飛来することにより、
- 洗濯物や自動車への砂の付着
- 大気中に黄砂がただよい、視界不良を招く
などの様々な被害があります。
ニュースや新聞などの報道により、事前に黄砂の情報を知っておくことが、生活面での被害を抑える方法につながります。
健康面での被害
黄砂は生活面だけでなく、健康面での被害がでることもあります。
健康面での被害は、
- 鼻水
- くしゃみ
- 目のかゆみ
- アトピー性疾患
- アトピー性皮膚炎
を引き起こすこともあるので注意が必要です。
黄砂によるアレルギー?
花粉症に似た症状がある黄砂において、アレルギー症状だと考える人もいると思います。
黄砂には、中国大陸内部の乾燥地帯の土壌内に存在する細菌やカビが付着していることもあるので、花粉症に似た症状が引き起こされる可能性が高いです。
黄砂によってアレルギー反応があるのではなく、黄砂に付着した微生物によって、花粉症のようなアレルギー症状が考えられます。
黄砂への対策方法
日本に飛来する黄砂は、年間で数百万トン以上ともいわれており、私たちはすでに黄砂の影響を受けているといえます。
黄砂が及ぼす健康被害には様々なものがあるので、黄砂への対策をすることが重要です。
黄砂の対策方法において、抑えておきたい5つのポイントがあります。
- 黄砂を持ち込まない
- 部屋干しを活用する
- できるだけ窓をしめておく
- 空気清浄機を活用する
- こまめに掃除をする
黄砂の対策方法について、それぞれ説明したいと思います。
黄砂を持ち込まない
帰宅したら、家の前で服と髪をはたいて、身体に付着している黄砂を落とします。
家の中に入ったら、すぐに手洗いとうがいをするようにしましょう。
外から帰ったら、家の中に黄砂を持ち込まないようにすることが重要です。
部屋干しを活用する
黄砂は空気中をただよっているので、外に干した洗濯物に黄砂が付着する可能性が高いです。
黄砂の多い日には、洗濯物を外に干さずに、部屋干しを活用するようにしましょう。
洗濯物を取り込む際、衣服を振り払って黄砂を落としてから、家の中に取り込むのが良いですよ。
できるだけ窓をしめておく
黄砂が多い日には、あまり窓を開けないようにして、できるだけ窓をしめておくことが重要です。
換気を行なう場合には、窓を少しだけ開けて換気を行ない、また窓を閉めるようにしてください。
空気清浄器を活用する
細かい粒子やほこりも除去できるレベルの空気清浄機を活用して、室内をキレイに保つようにしましょう。
部屋干しなどによる「衣服の生乾き臭」が気になるようであれば、脱臭効果の高い空気清浄機もおすすめです。
こまめに掃除をする
ドアの開閉や、窓の開け閉めにより、多少の黄砂は室内に入ってしまいます。
室内に入った黄砂を除去するために、こまめに掃除をすることが重要です。
PM2.5とは
PM2.5とは大気中に存在する2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称です。
PM2.5は、
- 硫酸塩
- 硝酸塩
- カーボン系の物質
が主成分の大気汚染物質です。
PM2.5の発生源には黄砂もありますが、火山や植物由来の揮発性有機化合物もあります。
ガス状になった揮発性有機化合物が、大気中のオゾンや光と化学反応を起こし、PM2.5が発生します。
PM2.5は石油や排気ガスといった工業活動からも発生する大気汚染物質です。
PM2.5は私たちの身の回りにある大気汚染物質なので、環境面での被害もありますが、健康面での被害が特に重要です。
PM2.5による被害
PM2.5は2.5ミクロン以下という微小な粒子なので、肺胞内や血管内に入ってしまうことによる健康被害が懸念されます。
PM2.5は慢性気管支炎や心不全、不整脈などの呼吸器系や血管系に病気や異常をもたらす可能性が高いです。
PM2.5には「PHA」という発がん性物質の存在も確認されており、がんリスクという健康被害もあります。
PM2.5は微小な粒子なので、通常のマスクでは防げないので、厚生労働省指定のマスクを使用してください。
PM2.5への対策方法
PM2.5の対策において、呼吸器系や血管系に疾患がある人だけでなく、幼児や高齢者はPM2.5を体内に入れないようにする対策が必要です。
PM2.5の対策方法において、抑えておきたい5つのポイントがあります。
- 長時間の激しい運動を減らす
- 屋外ではマスクをする
- 換気は最小限に済ませる
- 不必要な外出は控える
- 空気清浄機を活用する
PM2.5の対策方法について、それぞれ説明したいと思います。
長時間の激しい運動を減らす
激しい運動をすることにより、呼吸が激しくなるので、PM2.5を吸い込むリスクが上がってしまいます。
PM2.5を大量に吸い込まないようにするために、呼吸を乱すほどの運動は控えるようにしましょう。
屋外ではマスクをする
外出する際は、厚生労働省指定のPM2.5用マスクをつけるようにしましょう。
換気は最小限に済ませる
窓を開けっ放しにすると、室内にPM2.5が入ってきてしまうので、窓を開けての換気は最小限に済ませるようにしましょう。
不必要な外出は控える
屋外に出ることにより、PM2.5のリスクに曝されることになるので、不必要な外出は控えるようにしてください。
空気清浄器を活用する
PM2.5などの微粒子も除去できるような空気清浄器を活用し、室内の空気をキレイに保つようにしましょう。
まとめ
黄砂は土壌・鉱物粒子であるのに対し、PM2.5は大気中の2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称なので、別の物質です。
どちらも数ミクロンの小さな物質となりますが、そもそもの物質が違うといえます。
黄砂とPM2.5にはさまざまな症状がありますが、それぞれに異なった症状があります。
黄砂はアレルギー反応による症状が出るのに対し、PM2.5は呼吸器系や血管系に異常をもたらす可能性が高いです。
それぞれの対策方法は共通していることが多く、体内に入れないようにすることが重要です。
黄砂とPM2.5の違いを知っておくことにより、それぞれの被害を最小限に抑えるようにしてくださいね。
コメント