【ゼロからわかる!】黄砂について徹底解説

黄砂 黄砂

黄砂は私たちの生活に密接な関係があり、様々な被害をもたらす要因だといえます。

黄砂がどういうものかを知っておくことにより、黄砂の被害を最小限におさえることも可能です。

黄砂の被害を最小限に抑えることにより、私たちの健康被害をおさえることにもつながります。

この記事では、黄砂に関する内容を解説したいと思います。

黄砂とは

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黄砂とは、砂塵まじりの強風によって、はるか上空にまで舞い上げられた鉱物粒子です。

黄砂粒子自体の大きさは、5ミクロンほどの大きさであり、30ミクロンの花粉よりもはるかに小さい粒子だといえます。

強風によって舞い上げられた黄砂は、太陽光を地表に届かなくするほどに空を曇らせます。

太陽光が地表に届かなくなるほどの黄砂の量は、想像できないぐらいの膨大な量です。

膨大な量の黄砂の飛散は、空全体を黄褐色して、周りが見にくくなるほどの視界不良となります。

黄砂の鉱物粒子には、石英や長石といった造岩鉱物や粘土鉱物も多く含まれています。

黄砂による花粉症に似た症状が起こるのは、黄砂内の造岩鉱物の主成分であり二酸化ケイ素が鼻に入ることにより、炎症を誘発するためです。

また黄砂粒子は鉱物粒子ではない、硫酸イオンや硝酸イオンが検出されることもあり、大気汚染物質に変化している可能性もあります。

黄砂粒子に含まれる大気汚染物質は、様々な健康被害を引き起こすこともあるので、注意が必要です。

黄砂の中には、黄砂が発生する乾燥地帯に生息する微生物の存在も確認されています。

黄砂に含まれる微生物が、どのような健康被害を与えるのかはわからない部分が多く、研究段階という問題もあります。

黄砂が発生するメカニズム

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黄砂発生のメカニズムは、乾燥している中国大陸内部の黄土地帯の砂塵が、強風によって舞い上げられて偏西風で日本に飛来するからです。

強風によって砂塵が舞い上げられるには、

  • 黄砂が発生する部分の樹木が無い
  • 地表に雪や氷が解けて乾燥している

ことが条件となります。

砂塵は乾燥していなければ、強風で舞い上がることはないので、地表の乾燥は重要です。

地表の乾燥には、黄砂が発生する部分の砂漠化や異常気象の要因があり、人為的または自然的原因により、地表の乾燥が進みます。

強風によって舞い上げられた砂塵は、ぶつかり合いながら、微小の黄砂粒子が上空へと舞い上げられます。

上空へと舞い上げられた微小の黄砂粒子が、中国を渡って日本に飛来するには、偏西風が重要です。

偏西風は大陸で発生した低気圧に向かって、高気圧からの風が発生することにより、西から東に向かって強く吹く風です。

偏西風の強さは、低気圧と高気圧の気圧差が大きいほど強くなります。

黄砂に含まれる粘土鉱物の二酸化ケイ素は、60%以上含まれており、二酸化ケイ素はアレルギー反応を促進させる効果があります。

二酸化ケイ素によるアレルギー反応が、花粉症に似た症状がでる原因です。

黄砂が多い時期

two trees during golden hour

黄砂は季節を問わず発生しており、日本にずっと飛来しています。

初春から春の終わりにかけて、黄砂の飛散量が多い時期だといえます。

春真っ只中の4月は黄砂の飛散量が最も多くなる時期なので、4月頃は特に注意が必要だといえるでしょう。

初夏から晩夏にかけて、黄砂の日本への飛来はほとんどありません。

中国大陸内部の乾燥した黄土地帯は、冬になると雪や氷で地表が閉ざされるので、砂塵が舞い上げられることはありません。

暖かい春を迎えることにより、春の雪どけが進んでいき、地表の砂が強風によって舞い上がりやすくなります。

黄砂の飛散が春に多いのは、春になると、大陸で低気圧が発生するためです。

高気圧から低気圧に流れ込む強風が、さらに黄砂を上空へ舞い上げるので、西から東へ吹き付ける偏西風に乗って日本に飛来します。

夏には降雨によって、乾燥した地表が舞い上がりにくくなるので、秋には黄砂の飛散量がほとんどなくなります。

冬を迎える頃には、乾燥した黄土地帯の地表が雪でおおわれるので、黄砂の発生はありません。

黄砂の飛散量は、風速が大きく関わっており、気温に左右されることはありません。

風速が強ければ、黄砂は夜に飛散することもあります。

黄砂が日本に来るまでの流れ

white wooden watchtower

黄砂の発生は、乾燥している中国大陸内陸部にある黄土地帯であり、土壌が乾燥していることが条件です。

黄砂が発生するには、発生する地表に植生や積雪が無く、土壌が乾燥していることが重要です。

黄砂発生の条件を満たしている地域に、高気圧から低気圧に向かった空気がぶつかり合うことにより、黄砂を含む砂塵を舞い上げるほどの強風が発生します。

舞い上げられた黄砂を含む砂塵が、偏西風によって東へと運ばれることにより、黄砂現象へとつながります。

黄砂を含む砂塵が、上空に舞い上がるには、粒径の大きな砂塵が近くの砂塵に衝突することが重要です。

より小さい砂塵を跳ねとばすことにより、跳ねとばされた砂塵は、上空へと運ばれやすくなります。

一定の条件が揃っており、より強い風が吹き込むことにより、黄砂は発生しやすくなるでしょう。

強風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、上空の偏西風によって、西から東に向かって運ばれます。

黄砂は偏西風に乗ることにより、大気中で大気汚染物質を取り込みながら、日本に向かって飛来します。

大気汚染物質を取り込んだ黄砂は、約48時間後には日本に飛来することが可能です。

黄砂は偏西風で西から東に移動しながら、全体に広がるように拡散し、空一面を覆うように成長します。

全体に広がるように拡散した黄砂は、偏西風に乗って移動する間、上空で雨に取り込まれて雨とともに落下することになります。

日本海側の黄砂は、上空で雨に取り込まれた黄砂です。

雨に取り込まれずに移動を続ける黄砂は、そのまま移動を続けていき、西日本を中心とした日本列島へ自然落下という形で飛来します。

黄砂が日本に落下するのは、中国大陸に日本海を隔てて隣接しているからだといえます。

黄砂による被害

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気象庁によって、黄砂予報が出される黄砂には様々な被害があります。

黄砂による主な被害には、

  • 生活面への被害
  • 健康面への被害

という2種類の被害があります。

黄砂による被害について、それぞれ説明していきますね。

生活面での被害

微小の黄砂粒子を含んだ砂塵が日本に飛来することにより、

  • 砂の付着による汚れ
  • 航空機などの交通網の麻痺

などの様々な被害があります。

花粉よりも細かい黄砂粒子は、衣服への付着の際には、黄砂粒子をなかなか取ることができません。

黄砂は私たちの日常生活にも支障をきたすので、生活面での被害があるといえるでしょう。

健康面での被害

黄砂は生活面だけでなく、健康面での被害が出ることもあります。

健康面での被害はアレルギー症状や呼吸器疾患が報告されている被害です。

アレルギー症状や呼吸器疾患は黄砂の濃度が濃ければ濃いほど、悪化する傾向があります。

特に、子どもは黄砂による気管支喘息を招きやすく重病化する可能性もあります。

鼻水やくしゃみ、目のかゆみといった花粉症に似た症状だけでなく、アトピー性疾患やアトピー性皮膚炎を引き起こすこともあるので注意が必要です。

黄砂への対策方法

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黄砂には様々な健康被害があるので、しっかりとした対策が重要になります。

黄砂への対策において、守るべき3つのポイントがあります。

  • 黄砂を体内に吸入しない
  • 呼吸器系への負担を減らす
  • 黄砂を室内に入れないようにする

黄砂の対策方法において、守るべき3つのポイントについて説明したいと思います。

黄砂を体内に吸入しない

不必要な外出を控え、外出時にはマスクを着用することにより、黄砂を体内に吸入しないように心掛けることが重要です。

黄砂を体内に吸入しないことにより、黄砂による健康被害のリスクを減らすことが可能となります。

呼吸器系への負担を減らす

息が乱れるほどの激しい運動を減らすことにより、呼吸器系への負担を減らすことにつながり、黄砂による呼吸器系への影響を抑えることができます。

呼吸器系への負担を減らすことにより、黄砂による呼吸器系へのリスク軽減につながります。

黄砂を室内に入れないようにする

室内の換気を最小限に抑え、空気清浄器を活用することにより、黄砂を室内に入れないようにすることにつながります。

黄砂を室内に入れないようにすることは、居住者への黄砂のリスクを抑えることができますよ。

黄砂とPM2.5の違い

「PM2.5がひどい日の福岡上空から市内の様子」の写真

黄砂とPM2.5はどちらも微小な粒子であり、似たような健康被害を引き起こすこともあるので、いくつもの共通点があります。

黄砂とPM2.5は似たような性質がありますが、実際はまったく異なる物質です。

黄砂とPM2.5の違いにおいて、

  • 黄砂:鉱物粒子
  • PM2.5:大気中の2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称

黄砂とPM2.5の違いについて、説明したいと思います。

黄砂:鉱物粒子

黄砂は乾燥している中国大陸内部の黄土地帯から強い偏西風に乗って、飛来した鉱物粒子であり、0.5~8ミクロンほどの大きさです。

黄砂は大気汚染物質だけでなく、細菌やカビなどの微生物が付着していることもあり、様々な健康被害を及ぼす可能性があります。

黄砂において、粒子の大きい黄砂は上空に舞い上がりきらずに落ちるので、日本に飛来することはありません。

粒子の小さい黄砂は、上空の偏西風に乗って、日本に飛来することになります。

PM2.5:大気中の2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称

PM2.5は、大気中に存在する2.5ミクロン以下の粒子状物質の総称であり、大気汚染物質となります。

PM2.5の主成分は、

  • カーボン系の物質
  • 硫酸塩
  • 硝酸塩

です。

PM2.5は排気ガスや石油などの工業活動から発生するので、私たちの生活により身近な大気汚染物質だといえます。

黄砂とPM2.5の違いについてくわしく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

>>黄砂とPM2.5の違いとは?|それぞれの症状や対策方法も解説

まとめ

silhouette of 2 person walking on road during sunset

黄砂は花粉よりもはるかに小さい鉱物粒子であり、乾燥している中国大陸内部の黄土地帯の砂塵が、強風によって舞い上げらることで、日本に飛来します。

黄砂の飛散量は、2月~5月が多くなり、4月頃が最もピークとなります。

黄砂による被害はさまざまなものがありますが、花粉症に似たアレルギー症状が、私たちを最も悩ませている黄砂の被害です。

黄砂への対策方法において、黄砂を体内に入れないようにすることや室内に黄砂を入れないようにすることが重要です。

黄砂と接する機会を減らすことが、黄砂への対策として最も重要だといえます。

黄砂のことを理解することにより、黄砂に対して「どのように気を付けるのか」、「黄砂に対してどうやって身を守るか」などを知ることができますよ。

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