さまざまな条件がそろったときにだけみられる「雲海」。
日本には、そんな奇跡の絶景をみられるスポットが数多くあり、全国各地から人々があつまってきます。
しかし、「雲海をみてみたいけれど、どこに行けばよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、雲海初心者のために、絶対に行くべきおすすめの雲海スポットを紹介します。
また、雲海スポットごとに、
- どんな雲海がみられるのか
- 雲海と一緒にみられる景色
- 雲海が1番きれいにみえる場所
- 雲海が発生しやすい時期
- 雲海が発生しやすい時間
などもくわしく紹介します。
タイトル
雲海とは
雲海とは、山や飛行機など、高度のたかい場所から下をみると、雲が海のように一面にひろがってみえる様子のことです。
眼下一面にひろがる雲が大海原のようにみえるため、「雲の海」すなわち「雲海」とよばれるようになったそうです。
雲海ができるには、3つの条件が必要です。
その3つの条件とは、
[box class=”box30″ title=”雲海ができる条件”]
- 低い高度で雲が発生する
- 雲の天井の高さがきまる
- 雲の天井が、見る人より低い位置にできる
[/box]
ということです。
では、1つずつくわしく説明していきます。
雲海ができる条件①:低い高度で雲が発生する
まず雲は、空気中の水蒸気が、たくさんのちいさな水滴にかわることによってできます。
ポイントは水蒸気が水滴にかわる瞬間で、低い高度で雲ができるには、以下の2つのパターンがあります。
[box class=”box31″ title=”空気が冷え、水蒸気が水滴に変わるパターン”]
- 夜間・早朝の冷えこみで、空気が冷える
- もともと冷たい地面・水面によって、空気が冷える
- 空気が上昇して、空気が冷える
- 他所から冷たい空気が流れこんで、空気が冷える
[/box]
[box class=”box31″ title=”空気中のそもそもの水蒸気の量がふえるパターン”]
- 湿った地面(雨上がり)から水蒸気をもらって、水蒸気がふえる
- 暖かい水面(海・川・湖沼)から水蒸気をもらって、水蒸気がふえる
- 雨から水蒸気をもらって、水蒸気がふえる
- 他所から湿った空気が流れこみ、水蒸気がふえる
[/box]
雲海ができる条件②:雲の天井の高さが決まる
しかし、雲が発生しただけでは、雲海になることはできません。
雲海になるためには、雲の上面の高さがきまることが必要なのです。
雲はいったん発生すると、上空にむかってどんどん発達・成長していきます。
このとき上空に、
- あたたかい空気の層
- 乾燥している空気の層
があると、雲はそれ以上成長することができなくなります。
これを「逆転層」といい、雲がうえに成長するのをとめる天井のような役割をもっています。
この天井ができることで、縦に成長していくはずの雲がよこに広がり、雲海になるのです。
そして、雲の上面の高さが決まる仕組みには、以下の5つがあります。
[box class=”box31″ title=”雲の上面の高さが決まる仕組み”]
- 夜間・早朝の冷えこみによって、地面にちかい空気だけが冷え、その層の上面が空気の天井になる場合
- もともと冷たい地面・水面によって地面にちかい空気だけが冷え、その層の上面が空気の天井になる場合
- 他所から冷たい空気が低空にながれこんで、その層の上面が空気の天井になる場合
- 上空の空気が下降してあたたまり、その層の下面が空気の天井になる場合
- 他所からあたたかい空気が上空に流れこみ、その層の下面が空気の天井になる場合
[/box]
そしてあとは、雲の天井よりたかいところまで登って、雲海を見下ろすだけです。
こんなにも条件がそろわないとみられない雲海ですが、日本には数おおくの雲海スポットがあります。
そのなかでも、ここは絶対行くべきという雲海スポットを紹介します。
1.トマムの雲海テラス:北海道
トマムの雲海テラスの場所は、
- 北海道新千歳空港から約90分
- 標高1088mの場所
- 星野リゾートトマムの敷地内
にあります。
そんなトマムの雲海テラスでは、つぎの3タイプの雲海をみることができます。
[box class=”box30″ title=”太平洋産雲海”]
雲海が十勝平野をおおい、日高山脈をこえて流れこんでくる躍動感たっぷりの雲海
[box class=”box29″ title=”発生しやすい条件”]文章[/box]
- 北海道東部が高気圧におおわれ、海霧が発生
- 東から南東の風が、トマムエリアに吹きこむ
- 前日の夜から明け方にかけて風がよわい
[/box]
[box class=”box30″ title=”トマム産雲海”]
放射冷却によって発生し、ホテルが雲の中から突き出るようにみえる雲海
[box class=”box29″ title=”発生しやすい条件”]
- トマムエリアが高気圧におおわれ、朝方晴れる
- 前日の夜から明け方にかけて風がよわい
- 朝方に気温が急激にさがる
[/box]
[/box]
[box class=”box30″ title=”悪天候型雲海”]
天気がわるいとき・これからわるくなるときにあらわれて、山にまとわりつくように広がる雲海
[box class=”box29″ title=”発生しやすい条件”]
- 低気圧が接近している
- 天気が下り坂の予報がでている
- 天気がわるい
[/box]
[/box]
そして、トマムの雲海テラスには、
- 雲海
- 絶景
- 体験
などを思う存分たのしめる展望スポットがたくさんあります。
[box class=”box30″ title=”タイトル”]
- クラウドウォーク・・・雲のうえを歩くような感覚をあじわえる、雲のかたちをした展望スポット
- スカイウェッジ・・・船の舳先のようにせりだした展望スポット
- コンターベンチ・・・全長117mのベンチで、雲のうごきにあわせてさまざまな高さや角度から雲海をたのしめる
- クラウドプール・・・雲のかたちをした巨大なハンモックのような展望スポットで、雲のうえにうかんでいるような感覚があじわえる
- クラウドベッド・・・雲粒をイメージした弾力のあるクッションがつらなっていて、雲のうえにいるような気持ちで雲海をながめられる
- クラウドバー・・・イスについているはしごを登ると、山々の風景のなかにうかぶように座ることができる展望スポット
[/box]
またトマムの雲海テラスでは、翌日に発生する雲海の
- 種類
- 発生確率
を発表しているので、ぜひ活用してみてくださいね。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・5月から10月上旬(とくに6・7月)
- 営業時間・・・2020年5月11日から10月14日
[/memo]
2.ほったらかし温泉:山梨県
参考リンク:ほったらかし温泉 ほーむぺーじ
ほったらかし温泉は、山梨県山梨市にあり、日本一の絶景露天風呂ともいわれる温泉地です。
このユニークな名前は、創業時、スタッフがたったの3人だったことから、「行き届いたサービスは提供できない」ことを客に事前につたえる意味をこめてつけられたそうです。
そんなほったらかし温泉には、
- あっちの湯(元湯)
- こっちの湯(新湯)
の2つがあり、浴場には屋根がなく、自然と一体化したような開放感にひたることができます。
とくにオススメなのが、日の出1時間前にオープンする「あっちの湯」で、
[box class=”box29″ title=” “]
- 雲海
- 富士山
- ご来光
[/box]
の3つの絶景が温泉につかりながらあじわえます。
また夜には、夜景や星空を楽しむことができますよ。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海が発生しやすい時期・・・朝晩が冷えこむ時期(とくに秋)
- 雲海が発生しやすい時間・・・夜明けまえから早朝
[/memo]
3.高ボッチ高原:長野県
引用:絶景!高ボッチ高原から望む雲海と富士山 | 信州の逸品
長野県塩尻市にある「高ボッチ高原」は、日本有数の絶景スポットとしてしられています。
高ボッチ高原という名前は、1300年前から語り継がれる伝説の巨人「ダイダラボッチ」が、腰をおろしてひと休みしたといわれていることが由来になっているそうです。
標高1665mの高ボッチ高原の山頂からは、
- 雲海
- 富士山
- 北アルプス
- 南アルプス
の絶景を一緒にみることができます。
さらに運がよければ、雲海が朝日にてらされて、オレンジ色にそまることもあるそうです。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海が発生しやすい時期・・・9月から3月
- 雲海が発生しやすい時間・・・夜明けまえから早朝
[/memo]
4.越前大野城:福井県
引用:天空の城 越前大野城
越前大野城は、
- 福井県大野市の中心部
- 標高249mの亀山頂上付近
にあります。
越前大野城は、織田信長によって大野の土地をあたえられた金森長近が、1576年に築城したもので、雲海スポットとしても有名です。
また越前大野城の特徴は、
- 亀山のまわりを雲海がうめつくす
- 越前大野城がうかんでみえる
であることから「天空の城」とも称されています。
越前大野城の雲海は、1年に10回ほどしかみられないそうなので、みられた人はラッキーともいえます。
また、雲海眺望スポットまでは約30分の登山になるので、うごきやすい格好でいきましょう。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・10月から4月末(とくに11月)
- 雲海の発生しやすい時間・・・明け方から午前9時
[/memo]
5.竹田城跡:兵庫県
竹田城跡は、
- 兵庫県朝来市
- 古城山山頂
に位置し、虎が臥せているようにみえることから「虎浮城(とらふすじょう)」ともよばれています。
また、「天空の城」・「日本のマチュピチュ」の愛称でもしられています。
竹田城跡の雲海の特徴は、
- 竹田城に登ることでみられる中からの雲海・・・まわりを雲海にかこまれ、まるで雲海のうえにうかんでいるような気分をあじわえる
- 外からみる竹田城跡の雲海・・・竹田城跡のまわりを雲海がとりかこみ、幻想的な風景があじわえる
※この景色は、竹田城付近にある「立雲峡」からみることができる
の2種類の雲海をみられることです。
まさに、天空の城の名がふさわしい竹田城跡の雲海は、1度はみておいたほうがよいと言っても過言ではないでしょう。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・10月から11月
- 雲海の発生しやすい時間・・・明け方から午前8時ごろ
[/memo]
6.備中松山城:岡山県
引用:天空の山城・備中松山城をガイドと歩く!知る!学ぶ!|体験・ツアー | 岡山観光WEB【公式】- 岡山県の観光・旅行情報ならココ!
備中松山城は、岡山県高梁市にあり、岩村城(岐阜県)・高取城(奈良県)とならんで、日本三大山城の1つにかぞえられています。
また備中松山城は、日本で唯一、天守が現存する山城としてしられ、国の重要文化財にも指定されています。
「天空の山城」とも称される備中松山城の雲海は、すこし離れた場所にある「備中松山城展望台」からみるのがオススメです。
秋になれば、紅葉・雲海の絶景がセットでみられることでしょう。
野生のニホンザルに遭遇することもあるので、くれぐれも気をつけてください。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・9月下旬から4月上旬(とくに10月下旬から12月上旬)
- 雲海の発生しやすい時間・・・明け方から午前8時ごろ
[/memo]
7.国見ヶ丘:宮崎県
引用:高千穂観光協会
国見ヶ丘は、
- 宮崎県高千穂町
- 標高513m
にあり、神話のふるさとともいわれています。
神武天皇の孫「健磐龍命(たけいわたつのみこと)」が九州統治の際に、この丘に立ち寄って国見をしたと言い伝えられていて、国見ヶ丘の名前の由来にもなっています。
国見ヶ丘は雲海の名所としても有名で、高千穂盆地や周囲の山々(阿蘇の山々・祖母山など)を雲海がつつみこむ絶景は、「まるで墨絵のような世界がひろがっているようだ」と称賛されるほどです。
さすが、ミシュランガイドの1つ星を獲得しただけのことがあります。
また年に数回、朝焼けでオレンジ色に染まった雲海がみられることもあるそうですよ。
残念ながら雲海がみられなかったとしても、国見ヶ丘からながめる朝日は絶景ですので、早起きしてでもみにいく価値はじゅうぶんあります。
国見ヶ丘展望所まで徒歩数分のところに駐車場もあるので便利です。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・9月下旬から11月上旬
- 雲海の発生しやすい時間・・・明け方から早朝
[/memo]
8.美の山公園:埼玉県
美の山公園は、
- 埼玉県秩父市・皆野町
- 標高約586mにある蓑山(みのやま)山頂付近
にある公園で、春には約8000本の桜が咲く桜の名所です。
また公園内には、展望台が3ヶ所あり、雲海におおわれた市街地や山々を見ることができます。
とくに、市街地のカラフルな光が雲海を彩る夜景とのコラボレーションは絶景で、まるで宝石箱をみているようです。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・10月から12月・4月(とくに11月)
- 雲海の発生しやすい時間・・・風がすくない未明から早朝にかけて(とくに雨上がりの翌日)
[/memo]
9.大江山:京都府
大江山は、雲海の発生率がたかいといわれている、京都府丹後半島のつけ根にあり、鬼の伝説がのこる場所でもあります。
大江山の8合目にある鬼獄稲荷神社(おにたけいなりじんじゃ)は、雲海が発生する方角にむけて視界がひらけているので、雲海の絶好スポットとされています。
また、隠れた紅葉のスポットでもあり、秋には紅葉・雲海の絶景が楽しめます。
[memo title=”MEMO”]
- 雲海の発生しやすい時期・・・10月から12月
- 雲海の発生しやすい時間・・・夜明け前から早朝
[/memo]
10.富士山:静岡県/山梨県
富士山は、静岡県と山梨県にまたがる日本一(標高3776m)高い山です。
日本人なら知らない人はいないといってもよいでしょう。
富士山頂からは、雲海・ご来光の絶景があじわえます。
過酷な登山が強いられ、簡単にはみることはできませんが、日本人なら1度はみてみたい景色ではないでしょうか。
がんばったご褒美には、眼下にひろがる一面の雲のじゅうたんが、朝日で真っ赤に染まる光景がみられるかもしれませんよ。
[memo title=”MEMO”]
富士山登山シーズン・・・7月上旬から9月上旬(5合目から山頂)
※2020年は新型コロナウィルスの影響により、登山ルートは封鎖されています
[/memo]
まとめ
雲海は、さまざまな条件がそろわないとみることはできません。
「せっかく早起きしたのにみられなかった」なんてことになったら悲しいですよね。
そこでオススメなのが、「雲海出現NAVI」という雲海の発生確率を予測してくれるサイトです。
100%あたるものではありませんが、雲海スポットにいく際は、このような情報を参考にするのがオススメですよ。
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